金融教育ディレクター・橋本長明さんに聞く 知っているようで知らない「金融教育」

「人生に必要な本だと思って書いた」という『すてきな相棒!おかね入門』はSANDER STUDIOのポップなイラストが目印

お金を完璧に使いこなせれば精神力が鍛えられる

 では、子どもの頃から金融リテラシーを学んでおくとどんなことに役立つのでしょうか。

「大人がこの本を読むと、おこづかい帳をつけるところで“うわ~、全部ウォンツと浪費でしたよ”って言うんですよ(笑)。そういう人はまず、ネット通販を見てすぐクリックする前に、1週間でも1カ月でも立ち止まって考えるようにすると、浪費が減らせるんじゃないかと思います。

 行動経済学という学問がありますが、人間は心理や感情の影響を受けて必ずしも合理的な判断をしないことがあります。お金を貯めたいと思っているのに、なぜか必要のないものを買ってしまうのは人間だからなんです。お金のことを学んで完璧に使いこなせれば、少林寺の修行僧みたいに精神力が鍛えられる。小さい頃から学んでくせをつければ、いいお金の使い方ができたり、お金のことだけを考えずやりたい職業に就けたり、いろんな選択肢が広がると思います。

 結婚式を挙げたいけどやめるとか、子どもが欲しいけどあきらめるとか、お金がないために自分のやりたいことができない人生は辛いものです。お金と人生はセットだと思って、計画的に物事や生き方を考えていけるといいですよね」

 橋本さんは、この本を読む子どもたちにどのようにお金と付き合ってほしいと思いますか?

「金融教育はそもそもお金の働きや仕組みを理解し、それが生活や社会にどう影響を与えているのかを知ったうえで、自分はどういうふうに生活して社会に何をしていくのか学ぶ教育だといわれています。簡単にいうと生きる力を育むことが『金融教育プログラム』の目標なんですけど、まずはこの本に書いてあるお金の基礎を理解したうえで、景気はこうやって成り立っているとか、どうやって起業したらいいかとか、金融商品にはこういう意味があるといったことを学んでもらえるといいかなと思います。

 私がいつも伝えているのは、“お金というのは人生に寄り添う便利な道具ですよ”ということ。お金って、とても便利なものでものすごい発明品だと思います。よくも悪くも経済社会にはついて回るお金と、便利な道具としてどうやって付き合っていくのか。サブタイトルに『すてきな相棒!』って書いてますけど、お金のことを知ったうえでものすごく好きになってもいいし、つかず離れず絶妙な距離感でいてもいい。自分なりの距離感を作って付き合っていくのが大事なんじゃないでしょうか。お金が沢山あるから幸せなわけではなく、幸せに生きていくため、夢や目標を叶えるためにお金があるんです。 

 日本人はお金の話をするのに抵抗感が根強いのですが、この本はタイトルもずばり『おかね入門』で、表紙もすごくかわいらしいデザインにしました。人生に必要な本だと思って書いたので、この本を読んでお金の使い方や働き方について、大人の方だったら働く意味やキャリア形成、これからの人生など、いろいろ考えてもらうきっかけになればうれしいです」

(TOKYO HEADLINE・後藤花絵)

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