実は“昭和の男”YUSHIが思う“カッコよさ”とは。そして格闘技と人生への向き合い方【RIZIN.37】

5月の「RIZIN LANDMARK vol.3」でのド派手な入場シーン

「人生は1回なんだったら、自分の好きなことをやって生きるほうがいい」

 自分が格闘技で頑張っている姿やその背中を見てほしいといったこと?
「何歳になっても努力すれば夢はかなうんだというところは伝えられていると思います。今、僕自身がプレイヤーとしてお客さんを呼んで見せるという形ではないんですが、月に何回か店に顔を出して、ミーティングの場で僕が思ったことを伝えています。“こういうふうにしたほうが人生って豊かじゃない?”といったことや“どうせやるんなら一番を目指していこうぜ”とか。“ホストってこうやって、お客様にこういうことを喋ったら売れるんだよ”といった小手先の話ではなく人生観といった部分で話をさせてもらっています」

 ホスト時代のインタビューで「従来のホストって“カッコいいの概念”がずれている」といったことを話されていました。そういった自分なりの“カッコよさ”といったことを後輩たちに伝えている?
「言ってますね。ダサいことはするなと。ダサいこととかお客様に嘘をつくとか。それで稼いだとしても、それはただのヒモになるだけだから、それじゃダメなんだよ、って。自分にしっかり価値をつけて、その対価としてお客様にお金を払ってもらえるようなカッコいいホストになろうぜという、そういう部分で教育はしていますね」

 前戦の際の公開練習で好きな言葉として「人生1回」という言葉を挙げていました。これは誰かから授けてもらったもの? それとも自分が生きていく中で生まれたもの?
「誰かに聞いたというわけではないんですが。僕はお酒が飲めないので時間があるときに一人で考えることが多くて、死について考えたりすることもありました。僕はもともと親が医者で、医者になる道をずっとたどってきたんですが、そうじゃない道に外れてしまった。自分の中でも親に申し訳ないな、俺って出来損ないだなと思ったこともあったんですが“人生は1回なんだったら、自分の好きなことをやって生きるほうがいいじゃん”という考え方になってからは結構吹っ切れて。そこからホストで売れて、親に認めさせて、という感じなんです。その後もボディービルの大会で優勝して、次は格闘技の世界。人生1回なんだったら、5人分くらいの人生を味わいたい。そのためには1個1個の自分がやりたいことに対して100%コミットしていかなかったらいい結果なんて出せない。そういう部分で今は格闘技なんです。20代でホストをしていた時はホスト、29~32歳まではボディービルの大会というように自分がカッコいいと思うものに100%コミットして、努力すればその業界で名前を売ることができるんだということを実感してからは『人生1回』という言葉を大事にして、何かつらい時でも“あの時にもっとやっておけばよかった”と後悔するくらいなら、今、体が動くうちにきついことを自分から買ってでも、自分がかなえたい夢のために努力することが大切なんだなと思って、日々過ごしているような感じですね」

 今は格闘技に専念。体が動かなくなるまで続ける?
「ここ2年くらいで格闘技で名前を売って、映画の世界にも行きたいんです。俳優さんにもなりたくて。格闘技で名前を売って、強い状態でアクションもできる俳優さんになれたらなって思っています」