中野区でウクライナ避難民のための日本語セミナーが開催。メルカリと明大生がノウハウ活かす
明治大学山脇ゼミからは学生21名が参加した。
在住外国人がもっとも悩む「ごみの分別」
つづくワークショップでは、在住外国人の90%が経験するという、役所の窓口でのやり取りを想定してグループワークが行われた。山脇ゼミの学生たちは「やさしい日本語」の基本として、「は(はっきり)、さ(さいごまで)、み(みじかく)」の法則を挙げたほか、文章を考える際の明大式ワンポイントアドバイスを伝授。「め(明確に分ける)、い(いらない文を削る)、だい(大胆に見直す)」ことで、一文をすっきり短くすることができるとした。伝える際の心構えでは、「“早めに”と一言にいっても、2〜3日以内と思う人もいれば、1ヶ月と思う人もいる。自分の当たり前が相手の当たり前ではないことに気づくことが重要」と、マインドセットの大切さも伝えた。
参加者が苦戦していたのが、難しい日本語の言い換えや伝え方だ。在住外国人がもっとも悩むというごみの分別では、「回収」を「取りに来る」のように漢語から和語へ言い換えたり、「金属」は包丁で野菜を切るジェスチャーを交えたりして伝える工夫をした。国民健康保険の加入手続きでは、転出証明書の実物を見せたり、イラストや図式を描きながら話したりして、説明をサポートした。
参加した区の職員は「自分がいつも難しい言葉を使っていることに気づいた。外国人の方はもちろん、小さな子どもやお年寄りに接するときにも役立つと思うので、今日の学びを早速活かしたい」と感想を話した。「メルカリ・明治大学、中野区に向けたやさしい日本語コミュニケーションセミナー」は、今年は2回開催される予定。