Jr.EXILEが集結!音楽ライブ、スペシャルコラボ、ファッションショーまで4日間の夏祭り〈BATTLE OF TOKYO〉
中盤に設けられたスペシャルバトルコーナーは、バビロニウムからマルチバースの扉が開かれた別次元の世界に行ってしまうという設定で、毎日違った企画を展開。初日の『BATTLE OF HiGH&LOW』は、GENERATIONS・THE RAMPAGE・FANTASTICSによる「HIGHER GROUND feat. Dimitri Vegas & Like Mike」(『HiGH&LOW THE MOVIE』の主題歌)、GENERATIONSによる「RUN THIS TOWN」から始まった。
だが、『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』の冒頭シーンで鬼邪高校の不良たちから逃げていたはずのチハル(佐藤大樹)が“多重郷次元”という名のステージに迷い込んだことから、物語は思わぬ方向へ。鬼邪高校の番長・村山良樹だと言い張る砂田将宏、関虎太郎だと言い張る奥田力也、White RascalsのROCKYだと言い張る松井利樹、達磨一家の日向紀久だと言い張る深堀未来が続々と参上。自称RUDE BOYSのスモーキーたち(加納嘉将・海沼流星・日髙竜太)と、自称“SWORDのS”としてレディースチーム 苺美瑠狂になりきった木村慧人・堀夏喜まで名乗りを上げ、客席からも思わず笑い声が溢れた。
一瞬だけ現れたペヤングラシアス(八木将康)に、「きっと彼らは本来の『HiGH&LOW』の世界で、その人物に強く憧れていたんだ。その想いがこの世界で叶えられたんだ。この時間を受け入れろ」と無理矢理丸め込まれたチハル(佐藤大樹)と同じ困惑顔で、理想の姿を手に入れたBALLISTIK BOYZが「JUMP AROUND ∞」を、個性豊かな美女で構成された苺美瑠狂(FANTASTICS)が「STRAWBERRY サディスティック」を歌いながら回遊する姿を見守る。さいたまスーパーアリーナにこんなカオスな光景が広がるとは、一体誰が予想していただろうか。続いて「SWORDのSは山王連合会だろうが!」と言いながらも、『HiGH&LOW』シリーズではあまり日の目を見なかった山王連合会のヒカル(山本彰吾)・ケン(岩谷翔吾)と、初期の頃は注目されていなかったという鬼邪高校の辻(鈴木昂秀)・芝マン(龍)による演劇パートに突入。「Do or Die」(FANTASTICS/PSYCHIC FEVER)や数原龍友のソロバラード「Nostalgie」が、『HiGH&LOW THE STORY OF S.W.O.R.D.』の名場面を呼び起こした。
また、『HiGH&LOW THE WORST』シリーズの最新作『HiGH&LOW THE WORST X』の新たな出演者として、鈴蘭男子高校の山口孫六役を八木勇征、伊東カムイ役を木村慧人、鳳仙学園の徳山門司役を堀夏喜が演じることが発表されると、客席からは一際大きな拍手が。それぞれのキャラクターになりきって現れたFANTASTICSの3人のもとに、本シリーズの主人公・花岡楓士雄(川村壱馬)が現れ、THE RAMPAGEのターンに繋ぐ。お決まりの名台詞「行くぞ、てめぇら!」を合図に、『HiGH&LOW THE WORST X』主題歌「THE POWER」へ。前作から引き続き高城司を演じる吉野北人や、一足先に新キャラクターとして発表されていた鎌坂高校の氷室零二役・藤原樹、江罵羅商業高校の鮫岡章治役・長谷川慎&風神役の陣なども顔を揃える中、新たに解禁となった挿入歌「Slam That Down」や、前作の主題歌「SWAG & PRIDE」で会場を盛り上げた。
『BATTLE OF KINGDOM』と題して行われた2日目は、①スピードスターリレー、②10種目障害物リレーから成る“RELAY KINGDOM”を実施。司会担当の小森隼・陣・佐藤大樹・加納嘉将の進行のもと、CL内で開催された「DODGEBALL KINGDOM」「KITCHEN KINGDOM」で2連覇中のBALLISTIK BOYZの独走を食い止めるべく、GENERATIONS、THE RAMPAGE、FANTASTICSが立ちはだかった。ちなみに、中務裕太は小学生さながらの体操着姿、数原龍友は「KITCHEN KINGDOM」で活躍した中華料理人・陳幸龍スタイルをしているが、“本気”で参戦している。
冒頭ではPSYCHIC FEVERが各チームの応援係を務め、JIMMY団長は「PASION」でBALLISTIK BOYZを、WEESA団長は「M.V.P.」でFANTASTICSを、剣団長は「THROW YA FIST」でTHE RAMPAGEを、廉団長は「BIG CITY RODEO」でGENERATIONSにエールを贈る。その結果、ステージを降りて外周2周分を駈け抜けた①スピードスターリレー(人数の少ないBALLISTIK BOYZとGENERATIONSには、PSYCHIC FEVERのJIMMYと渡邉廉が助っ人参加/THE RAMPAGEは2チームに分散)ではBALLISTIK BOYZが圧倒的な速さで優勝し、賞品の沖縄旅行をゲットした。陸上経験者の武知海青や龍、スタート前に準備体操を念入りに行っていた川村壱馬など、小森隼曰く「勝つために足の速いメンバーをAチームに集めたのでは?」というTHE RAMPAGEは、それでも残念な結果に。サッカー経験者揃いで優勝候補を思われたFANATASTICSの中島颯太は、普段から仲が良い陣に「惜しかったね?」と話しかけられ、「惜しかったね」とあざと可愛い笑顔を見せる。年長組の世界は「若いエネルギーってすごいよね」としみじみ語っていたが、何よりも前回の『BATTLE OF TOKYO ~ENTER THE Jr.EXILE~』をケガで途中棄権した彼が無事に走り終えたことに安堵した観客も多かったはず。EXILE・FANATASTICS・BOTのライブを数日置きに行っているその体力にも、大きな拍手を送りたいところである。
一方、各グループから5人の精鋭を選出して臨んだ②10種目障害物リレーでは、三輪車やタイヤ引き、パン食い競争、アツアツおでん、足ツボ縄跳びといった壁がメンバーの行く手を阻む。後半には、2人の身体を使った風船割り・缶積みといったペア競技もあり、普段は見られないメンバーたちの姿が観客を楽しませた。第一走者で先陣を切ったのは、三輪車で爆走していった藤原樹。早々にパン食い競争エリアに突入したものの、なかなかパンに顔が届かず、一生懸命に背伸びをする奥田力也には「可愛い」と呟く声も聞こえてきた。後半のペア競技では、数原龍友&中務裕太のコスプレペアが独走するかと思いきや、佐藤大樹&木村慧人ペアに最後の缶積みで追いつかれそうになったり、2組が必死に缶積みをしている横をLIKIYA&与那嶺瑠唯ペアが颯爽と一抜けしたり……とドラマティックな展開に。スピードスターリレーで圧倒的な強さを見せつけたBALLISTIK BOYZは、おっとりした印象の松井利樹&加納嘉将ペアが風船割りに苦戦し、他のチームに応援されながらなんとかゴール。「チームワークの良さで勝ててよかったです」(LIKIYA)と語った勝者THE RAMPAGEには、賞品の食事券と中務裕太先輩からの「お前ら、後で楽屋来いよ!?」という優しいお祝いコメントが贈られたのだった。
3日目の『BATTLE OF iCON Z』では、LDH JAPANが仕掛ける、史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』男性部門の第二章が開幕することが発表され、第一章グランプリのLIL LEAGUEと、第二章への参加が決まった22名が登場した。ライブ前半には『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)から誕生したZ FACTION、CROONERZ、KIDMATIC、LIL LEAGUEがオーディション時の課題曲をパフォーマンス。LIL LEAGUEは最新曲「Coloring Book」も披露し、カラフルな歌声で次なる夢へと虹を架ける。さらに第二章からは、すでにプロダンスリーグ『D.LEAGUE』で活躍しているプロダンサー 古嶋滝・佐藤陽・伊東弘之助(SEGA SAMMY LUX)・桑原巧光・田中彰(CyberAgent Legit)と、EXILE ATSUSHIの夢応援プロジェクトでグランプリを受賞した佐々木陸、DEEP SQUADのメンバーとして活動している宇原雄飛・杉山亮司・比嘉涼樹もオーディション参加を表明。各々の魅力を伝えるべく、ダンスステージやソロ歌唱、美しいハーモニーを届けた。
最終日、4日目の『BATTLE OF SUMMER』は、夏曲メドレーからスタート。甚兵衛を身に纏ったBALLISTIK BOYZが、潮風を感じる「WAVIN’」を歌いながらゆったりと外周ステージを回ると、さいたまスーパーアリーナは一気に夏ムードに包まれた。続くFANATASTICSは「Flying Fish」を軽やかに歌いながら、太陽のようなビッグスマイルの瀬口黎弥を中心に、カメラに向かって思い思いにアピール。センターステージに登場したTHE RAMPAGEは「WELCOM 2 PARADISE」で無邪気に笑い合う。甚兵衛姿の16人が踊る様はまるで盆踊りのようで、鈴木昂秀のダンスをみんなで真似したり、RIKUが岩谷翔吾にマイクを向けて歌わせたりと実に賑やかだ。Jr.EXILEの長男としてどっしりと構えた印象のGENERATIONSは、甚兵衛姿が妙にいかつい数原龍友が「僕だけ、みんなとなんか違くない? 恐くない!?」とおどける場面もありながら、笑いを流し去るほどの爽やかな美声で「Brand New Story」を熱唱。大輪の花火をバックに、ボーカル2人がしっとりと歌い上げた『secret base ~君がくれたもの~』(ZONEのカバー)も、かけがえのない夏の思い出となったことだろう。
「『BATTLE OF SUMMER』、盛り上がってますかー!?」という陣のハイテンションな呼びかけから始まった、謎多きバトルステージの後半戦は、ファッション対決ならぬ、夏服の着こなしセンスをチェックするファッションショーが開催された。第1弾の『夏祭りは、これで決める! 浴衣対決!!』には、片寄涼太&吉野北人、木村慧人&瀬口黎弥、川村壱馬&長谷川慎、海沼流星&深堀未来&松井利樹が参戦。最初に現れた“王子コンビ”の片寄涼太がふいに吉野北人のほっぺにキスをすると、会場に激震が走る。木村慧人と、グッズの“超天晴黎弥扇子(ちょうあっぱれいやせんす)”を持参した瀬口黎弥は、シックな色味の浴衣姿に反して、ギャルピースで陽気に登場。陣曰く、THE RAMPAGE随一の人気コンビだという“かずまこ”はキメ顔で寄り添い、「いやぁ、夏ですね。みなさん、楽しんでますか? 俺もすっごく楽しいです」(川村壱馬)とにっこり。海沼流星&深堀未来&松井利樹も三者三様の浴衣でランウェイを歩き、3万人もの熱い視線を全身に浴びた。
しかし、第2弾の『夏のビーチは、これで決める! 水着対決!!』からはまたしても想定外の展開に突入する。このブロックでは白濱亜嵐、八木勇征、武知海青、日髙竜太という“脱ぎたがりたち”のカッコいい水着姿が見られる予定だったが、トップバッターの白濱亜嵐は、露出皆無のあまちゃんファッション(伊勢エビ持参)でステージに登場。武知海青は、ジャージの背中に「ROWDY水泳部 全国制覇」と殴り書きした競泳選手スタイルで、北島康介ばりの「ちょー気持ちいい……」を披露。日髙竜太はサーフボードを片手に現れ、大喜利のような仕上がりに。そのため、唯一企画意図通りの格好で現れた“マッスルプリンス”八木勇征が、パーカーの下に忍ばせた肉体美を解放すると、待ってました! とばかりの拍手が湧き起こる。ファッションショーという性質上、明確な勝敗はつけないはずだったが、「テーマは大樹くんの好きな色のサーフパンツです」とコメントする八木勇征の手を上げながら、佐藤大樹が「完璧でしょ、ウチの勇征!」「優勝だよ!」とドヤ顔で叫んだ。
第3弾の『真夏のデートは、これで決める! 夏服対決!!』も、“大阪のおばはん”になりきった中務裕太と阪神ファンコーデの奥田力也の“大阪被り”など、笑いに走るメンバーが続出した。同じ地元愛でも、岡山産デニムのセットアップを着こなした山本彰吾とは方向性がかなり違い、その振り幅に驚かされる。神谷健太は“TikTokにたまに出てくるヤリラフィー”になりきり、アロハシャツにサングラスを身につけた砂田将宏はまさに夏男といった風貌。一見オールブラックのペアコーデでオシャレに見せていたFANTASTICSの中島颯太と澤本夏輝(澤本はヨウジヤマモト社のGroundYと『BATTLE OF TOKYO』のコラボシャツを着用)だが、中島が実は真冬の服装というボケを投入しており、カメラを手に「(デートで撮った写真を)10年後も一緒に見ような」と客席に語りかける。さらに、小森隼が「玲於がいないんだよ。玲於!?」と呼びかけると、那須川天心が『THE MATCH 2022』で着用していた衣装に身を包んだ佐野玲於が、格闘家さながらのポーズでセンターステージに入場。終始笑いの絶えないファッションショーだったが、佐野の後を追うようにゲストとして現れた那須川本人の「緊張してますけど、なんかあったら全員倒せるので(笑)」という最強の一言が、真の『BATTLE OF TOKYO』の幕開けを告げた瞬間でもあった。
そんな『BATTLE OF SUMMER』を締め括るのは、浦川翔平と与那嶺瑠唯が振付をしたという盆踊り「超東京音頭」。メンバーたちは時折振付を間違え、照れ笑いを浮かべながらも、楽しそうに外周ステージを踊り歩く。コロナ禍でやっと実現した幸せなひとときを噛みしめながら。