ディーン・フジオカは賛否両論を越えて進化する
「正解を追い求めることがいつも正しいとは限らない」と語る、俳優 / ミュージシャンのディーン・フジオカ。作品作りにおいて「絶賛」と同じくらい「批判」も大切にしているという、その理由とは…。
Seasson2はアクションもスリルもパワーアップ! 物語はさらに“思い切った展開”に…
AIロボットの暴走や人体自然発火など、一見、超常的な事件が最先端科学によって解き明かされていく話題のドラマ『パンドラの果実~科学犯罪捜査ファイル~』。日本テレビ系で4月期に放送されていた本作の続編となるSeason2がHuluにて独占配信中。
科学を人類の光と信じ、警察庁に「科学犯罪対策室」を立ち上げたエリート警視正・小比類巻祐一(ディーン・フジオカ)が、科学の闇に警鐘を鳴らす天才科学者・最上友紀子(岸井ゆきの)、ベテラン刑事・長谷部勉(ユースケ・サンタマリア)とチームを組み、不可解な事件に挑む、ユニークな切り口のサスペンスエンターテインメント。そのSeason2では、新人捜査官・奥田玲音(吉本実憂)も加わり、小比類巻たちは「ゲノム編集」「クローン」「不老不死の科学」「人体凍結保存」といった最先端科学がカギを握る難事件に立ち向かっていく。
「地上波に比べて、Season2(配信)のほうが思い切った展開になっているなと思いました。脚本を読んでいても“これ、どうやって撮るんだろう?”とワクワクしましたね。使える音や血のりの表現なども変わってくるのでアクションシーンも、よりリアルに演出できるようになったと思います。Season2は、そういうディテールも楽しんでいただけると思います」
劇中に登場する最先端科学のトリビアにも知的好奇心をそそられる本シリーズ。ディーン自身、科学や進歩がもたらす光と闇というテーマに以前から関心を抱いていたという。
「科学の発達が人間をどう揺さぶるのか、どんな可能性を与えるのか。テクノロジーに対する興味ももちろんありますし、それが人間に、社会にどう影響するのかというところにも興味を持って、このプロジェクトに臨んでいます。新しいテクノロジーが生み出す光と闇は常に存在する。それが出来たら便利だけど、別の角度から見るとどうなのか…そこで問われているのは人間たちがそれをどう使うのかという問題。何を選ぶのかは人類次第。そこが神と悪魔との対話みたいな感じで、興味深いなと思います」
小比類巻たちが直面するその“問い”は、偶然にも、昨年行ったライブツアー〈DEAN FUJIOKA “Musical Transmute” Tour 2021〉のテーマにも通じるものだったという。
「 “Musical Transmute” では、コロナ禍で、お客さんが歓声を送れないなど、いろいろな制限がある状況で、どうお客さんを楽しませることができるだろうかと考えて、初めて自分で脚本を書いて、ミュージカル仕立ての構成にしました。そのインスピレーションのもとにしたのが、ウイルスや進化といったテーマだったんです。ちょうどこのシリーズのお話を頂いたときにツアーの企画を立てていて、自分が考えていた脚本とほぼ同じテーマだったので奇遇だなと思いました。自分がメモ帳に書き留めていたワードも登場したので、びっくりしました(笑)」
未来の“if”を描くフィクションでありながら、実際の研究や最新テクノロジーが巧みにストーリーに盛り込まれるのも本シリーズの面白さ。Season2では、遺伝子のゲノム編集や臓器移植のためのクローンなど、さらに禁断の世界へと踏み込んでいく。
「結局、人類は前に進むしかない部分もあると思います。とはいえ、何でも新しいものを取り入れるには危険が伴う。ゆえに、こういうフィクションでの疑似体験が、実社会ではどの方向に舵をきったらいいのかというディスカッションの機会にもなるんじゃないかな、と思うんです。フィクションだからこそ想像力で到達できる部分もあると思う。まさに今の時代にタイムリーな作品だと思います」
もし最先端科学の力で解決できるなら、ディーンが望むものは…?
「すべての人に、衣食住や教育が行きわたる社会になればいいなと思うんですよね。すべての人々が、そういう最低限のことに不自由しない社会に、テクノロジーの力で変わっていけばいいなと思います」