【インタビュー】DOBERMAN INFINITYがコロナ禍で見つけたもの。

 

ーー今のお話を聞いていると、ドーベルはコロナ禍も前向きに突き進んでいったように感じます。

GS:最初からそうだったわけじゃないですよ。やっぱりみんなそれなりに落ち込んだり沈んだりした期間はあったと思います。僕もね、最初はすごくうれしかったですよ。外に出ちゃいけないし、今日も休みや!ぐらいの感覚はありました。僕の場合はひたすらゲーム。パワプロ(『実況パワフルプロ野球』)で、LDHに所属しているメンバーの名前を選手につけて。ただね、3日で飽きましたよね。この歳にしてこんなことに時間使ってる自分に飽きれたし。こんなことしたくて生きてるわけじゃないってね。ただそうなると、バッドな方に向かってく感じで。僕は年齢もあるし、この1年1年が、現役生活の中で大事な時間で、これが5年も10年も続いたらどうしようみたいな気持ちにもなったし。それでも、オンラインライブであったりだとか、徐々に徐々に 1 歩ずつこう、開けていったというか。

KUBOーC:去年からツアーも出来るようになりましたけど、まだお客さんはまだ半分だし、声も出せないライブ。そういう状況であっても考えて準備して。確信したよね、行けるって。ツアーを回りきったとき、どんなスタイルでも行けるとも思えた。

GS:ツアーができたことで、音楽をやる、歌を歌うってことがどれだけ楽しくて、自分たちが大事にしてきたものなんだってのを再認識させられたよね。やっぱりこれをやっていく以外はないなっていう気持ちにもなりました。

KUBOーC:それで、これは今までも思ってたことだけれど、次のライブをするためにも曲を作っていかないとって思いましたね。

GS:去年のツアーができたのは、アルバムに向かっていくうえで、かなり大きかったなって思います。

ーーアルバムのタイトルは『LOST+FOUND』。遺失物取扱所のことですよね。落とし物や忘れ物が集まって、持ち主はそこでなくしたものに再会する。

P-CHO:何を失って何を得たかということ、だからこそ歌うべきことに、それぞれが向き合いました。これまでやってきたことの延長上でフランクに制作したものもあるんですけども、ポイントを抑えて、そういったことが表現できていると思います。新曲でいえば、「LOVE IS」であったり、「Citylights」。愛について歌うとかね、こういう時代を経たからこそ歌える覚悟を持てたと思います。「Citylights」は遠距離恋愛のように聞こえますけど、当たり前の幸せって大切だなって、この時間で向き合えたこと。『LOST + FOUND』というアルバムの中で歌わないと、と思ったことですね。

ーー聞くほどに、それがじわじわと自分の中に広がっていく楽曲だと思いました。

GS:この曲はKAZUKIが「絶対やりたいです!」って、イチ押してくれた楽曲で、まだ決まっていないのに、KAZUKIがメロ付けてきたんだよね。

KAZUKI:2年前に(笑)。ただ、このアルバムを作ることになって、再スタートしたので、コロナ禍で自分が思ったことが歌詞になって、最初に想像していたのとはまったく別の楽曲になりました。

ーー改めて歌詞を書きはじめた時点で、曲の全体像は見えていたんですか? 例えば、ミュージックビデオのような。

KAZUKI:そうですね。ミュージックビデオが完成した時には、僕が想像していたのはこういうこと!って思いました。

GS:楽曲では時間が流れていくんです。最初は彼女を空港まで送り届けるシーン、空港の搭乗ゲートでバイバイするシーン、回想が入って、最後見送る、みたいな。

ーー流れに矛盾がないからか聞くほどに幸せな気持ちになって、リピートして何度も聞いてしまう曲です。

GS:17時15分の飛行機に乗れるように出発したとしたら、行きと帰りでライトが違うよねとか、そういうのもね。テーマ分けは、みんなでホワイトボードを使ってやりました。