世界屈指の動物標本と考える「私たちは誰なのか」 上野「WHO ARE WE 観察と発見の生物学」

今にも動き出しそうな動物標本はいつまで見ていても見飽きない

 もうひとつの見どころは何といってもハワイの実業家、ワトソン・T・ヨシモト氏が同館に寄贈した世界屈指の動物標本コレクション「ヨシモトコレクション」。元々はハワイの人々に野生動物の魅力を伝えるため、私設博物館(Wildlife Museum)に展示されていた標本群は、現在では調査が困難な地域の標本が多数含まれた極めて学術的価値の高いものだ。米クラインバーガー社が製作した剥製は、細部にわたる毛の流れや血管の浮き出た様子、今にも動き出しそうなポーズなど、いつまで見ていても見飽きない不思議な魅力をたたえている。