生理、避妊、妊娠、中絶、産後うつ。女性のリアルを描く映画『セイント・フランシス』が問うもの
34歳独身、大学中退、キャリアなし。レストランの給仕として働くブリジットは、ことあるごとに周囲から自分に向けられる同情的な視線に悩み、「30代半ばで何をすべきか」と検索する毎日。そんなうだつのあがらない日々を過ごすブリジットのもとにナニー(子守り)の短期仕事がやってきて――。
8月19日より公開の映画『セイント・フランシス』。(C) 2019 SAINT FRANCES LLC ALL RIGHTS RESERVED
ライフステージに悩むアラサー女性が、6歳の少女や彼女の両親であるレズビアンカップルとの出会いによって人生の気づきを得る、映画『セイント・フランシス』が8月19日より全国公開される。
「30代になると、周りの人が当然のように期待してくるものがあるし、成功していることも期待される。それはつまりキャリア、結婚、子どもがいるかどうかということ」。自身の経験をもとに脚本に落としこんだのは、今作で主演も務める女優ケリー・オサリヴァン。本作がオリジナル脚本デビュー作となる。
「ブリジットはどれも持っていなくて、だけど社会が彼女にもそれを期待するので、ブリジットは出来損ないのように感じる。これはもっと掘り下げて語られるべきことだと思う」と、エイジズム（年齢に対する偏見や固定観念）やジェンダーバイアス（社会的・文化的な性差に対する偏見や固定観念）に対する問いを作品に込めた。