光と音と人と街!必要なものがすべて詰まった映画『リ、ライト』を観た!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
今週末(18日)からカプセル兵団の舞台『うしおととら』に出演いたします。なにやら1〜33巻まで全話一気に上演するとのこと。
カプセル兵団さんはこれまでも漫画原作を舞台化してきているんですが、原作の世界観を壊さず漫画ファンにも演劇ファンにも高い評価をいただいてますので、今回もきっと原作ファンの方々にも刺さる作品になるのではと思っています。
売り切れの回も出てきていますので、気になった方はお早めにぜひ。
では今週も始めましょう。
ご当地ヒーローやら最近何かと話題の川越を舞台にした『リ、ライト』という映画を、一足先に観させて頂きました。
寡黙なシャンデリア職人のもとに、クラブシンガーと自称する女性が「アナタの息子の子供を妊娠している」と言って、転がり込んでくる。そんなお話なんですが…。
もうさ!映画に必要なものが全部フル活用出来る設定!!
まず、物理的に映画は「光と音」だけで、出来ています(4DXとかIMAXは別ね!)。
で、味覚、嗅覚、触覚、あと愛情とか命とか、光と音以外のその他の感覚に対して“観客にどれだけ体験したように錯覚させるか”の勝負なんです。“没入感”とか、呼ばれているやつですね。
照明(光)屋さんに、シンガー(音)…!映画の武器、使い放題じゃないですか!
そんでもって、街を歩いたり(匂い)レストラン行ったり(味)キスしたり(触感)愛や命の話をしたり…五感以上の全部に訴えかけようとしてくる!
作り手側から見ると“好き放題”の作品なのですが、その調和がえげつない。
うーん、料理でいうところの「いやぁ、それぞれの食材は美味しいけど、いっぺんに使っても美味しい料理になるワケないでしょ…」に、対して「できらぁっ!」って差し出されたような感覚と言いましょうか。
基本的にはしっとりと穏やかに淡々と進んでいくストーリーなのですが、舞台になる照明屋さんの景色や、川越の町並み、あと、衣装のこだわりが変態的に凝っていて(よくあるんですよ!なんか私服を当日持ってきてとかいって、とても“人に観せる服装じゃないヤツ”が出てくる映画!)
皆、ずーっとオシャレで画が奇麗!
画が奇麗だから、静かなシーンもずっと観ていられる。
そこに最後はジャズフェスティバルで、音楽までのってくる!
相当なエネルギーと知恵と工夫で作られたであろう今作、劇場で観られる日を楽しみにしていて下さい。