舞台監督が創り出す、リアルな美術やアイテムの数々。 今ようやく明かされる「美術監督はじめて物語」。 【映画『リ、ライト』】
作品としてのオススメは、ジャズライブの演奏シーン!
「やっぱり演奏シーンはすごかったよね」と振り返る林さん。「あのライブをたったの1日、数時間で取り切るっていう、強行スケジュールをやり切ったのもすごかったと思うし、逆にライブシーンのト書き1行に対して、実際には3分くらいのシーンになったりするわけじゃない?そういうのを実際に身近で経験できたっていうこと自体が、まさに映画撮影の面白さだよねって今は思う。楽器を弾けなかった役者さんが、何ヶ月も練習を重ねて、本番でしっかり弾けてたりするのもいいよね。そういう頑張りが、あそこに集約されているわけだからさ。あのライブシーンはもう、とにかく皆さん見てのお楽しみ!っていう感じだねw」。
思い出をつくって終わった夏休みのような体験だった
映画のメンバーの中でも、撮影監督の西野さんとの出会いが大きかったと話す林さん。「俺の舞台人生の中で、30歳、40歳離れたベテランさんと一緒に仕事をすることがあまりなかったんだよね。だから、そういう人と一緒に、現場で沈黙のバトルなんかも経験しながら、対等に仕事ができていることに対して優越感や面白さを感じたよ」。そして撮影が終わった後、コロナ禍ということもあって「西野さんをはじめ、このメンバーに会えなかったらどうしよう」というノスタルジーな気持ちにもなったといいます。「夏休みのような感じかな。この人とは二度と会わないかもしれないけど、すごいいい思い出をつくったね、って。とにかく楽しかった。もっと一ノ瀬組にいたかったし、もう一作品くらい関わりたいと思ってる。舞台の時もそうなんだけど、俺は営業をまったくしてこなかったんだよね。縁が縁をつないで仕事をいただいているし、映画もここで縁がつながればいいなって思うんだ」。