豊島区ゆかりの企業らが持続可能なまちづくりを学ぶ。「SDGs未来都市としま」目指して

 

 つづくセミナーでは、講師に東京海上日動火災保険株式会社の中塚啓二郎氏を迎え、SDGsの概要や背景を学んだ。

 中塚氏はまず、SDGsは「多くの人が幸せを享受できる世界を次世代に繋いでいこうという考え」と説明し、17の項目、169のターゲットについて解説した。たとえば「1. 貧困をなくそう」のゴールは、具体的に「1日1.25ドル未満で生活している人々」と定義されている貧困状態をあらゆる場所で終わらせることを目標に、世界でさまざまな取り組みが行われていることなどを紹介した。

 また、日本における17項目の課題も挙げられた。たとえば日本で生活保護を受けている層はアメリカに次いで先進国で2番目に多いとし、貧困は決して他人事ではないと指摘。そのほか、世界と比較して低い食料自給率や、頻発する豪雨災害など、さまざまな国内の課題を共有した。一方で、学校給食をはじめとする「食育」など、日本には世界に誇る古くからの文化・制度も数多くあるとし、こうした点を伝える発信力も必要だと話した。そのためには、企業が「10年後に社会に何を残していきたいか」を明確にすることが大切で、目標や取り組みを可視化することが企業価値の向上にもつながるとした。

 セミナーに参加した副幹事長の株式会社そごう・西武 久保田俊樹西武池袋本店長は「西武池袋本店は豊島区とともに歩んできた。SDGsも含めて、豊島区の企業、商店街、お住まいの皆さまと一緒に企業価値を上げながら、末永く商売をさせていただけたら」と、感想を述べた。

 セミナーは全3回シリーズで行われ、次回は9月下旬、10月下旬に行われる。セミナー後はフィナーレイベントとして、参加企業が「SDGs行動宣言」を発表する。