江口のりこ、前田敦子、伊原六花らが“それでも生きていく” ミュージカル『夜の女たち』が開幕 

左から、前田敦子、江口のりこ、伊原六花(撮影:細野晋司)

 ミュージカル『夜の女たち』が9日、神奈川・KAAT神奈川劇場で開幕する。初日を控え、8日、同所で通し稽古が公開された。

 戦後すぐに公開された、溝口健二監督による同名の映画の脚本をもとに、長塚圭史が上演台本、作詞、演出を手掛けた作品。戦後間もない大阪釜ヶ崎を舞台に、生活苦から夜の闇に落ちていった女性たちが、必至に生き抜こうとする姿を描く。
 
 この日、主要キャストがコメントを発表。夫を戦争で失い、「闇の女」へと落ちていく主人公を演じる江口のりこは「今はもう、早く初日を迎えたい気持ちです。音楽がとても素晴らしく、振付もおもしろいですし、楽しいシーンもたくさんあります」。

 戦争ですべてを失ったことで進駐軍が駐屯するホールでダンサーとして生きる主人公の妹を演じるのは前田敦子。観に来る方たちもどういう作品なんだろうと思っていらっしゃるでしょうし、予測ができないので、そこを楽しんでいただけたらいいなと思います。真っ直ぐな気持ちで初日を迎えたい」と意気込む。

「やっと初日を迎えられるという気持ちです。いい意味で緊張感をもったまま初日を迎えらますし、カンパニーの結束力も高まっています」というのは、主人公の義理の妹役の伊原六花。「ミュージカルという一歩入りやすい形でお客さまにも感じていただけたらうれしい」と続けた。

撮影:細野晋司

 本作は、演出の長塚にとって初のオリジナルミュージカルとなる。

「今の世界情勢を見ても、一つの国の中でも色々な考えがあり、一緒に歩むことの難しさを痛感します。人間性をもって共に協調しながら歩むことができればよいけれど、そうはならない。人間は愚かです。でも、だからこそ美しく、面白い。戦後の話を市井の人々にスポットを当てて描いた作品を手掛けた今、そのことを改めて思います。ある種、暗い時代を扱った戯曲ですが、荻野清子さんの音楽が素晴らしく、音楽と劇が相まって、とても華やかなエンターテインメント作品としてお届けすることができることをうれしく思っています」とコメントを寄せている。

 他出演に、前田旺志郎、大東俊介、北村有起哉ら。

 19日まで同所で。
 

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