〈インタビュー〉品川区長選に出馬表明の前都議の森沢きょうこ氏「区民とともに進める区政を」
スローガンは「無所属だからできる『あたらしい品川区政』」
選挙においては耳障りのいい“改革”を掲げるほうが有権者への受けはいいですよね。
「そうかもしれないですね(笑)。選挙戦略上は批判的な立場を取ったほうがわかりやすいのかもしれませんが、“良いところは継承し、時代や多様化する区民ニーズに合わせて変えるべきところを変えていく”というやり方が区民のみなさんのために一番いいのではないかと思っています」
出馬会見では「無所属だからできる『あたらしい品川区政』」というスローガンを掲げていました。
「私は今回も完全無所属で、政党への推薦依頼をしないという形で挑戦します。区政は、生活課題に一番近いところにありますので、政党の考え方とかイデオロギーによらず、区民にとって一番いい方法で解決していくということが必要なのではないかと思っています。区民のみなさん様々なご意見や要望をお伺いしながら政策もつくっています」
独自に実施された品川区民へのアンケートでの「力を入れてほしいこと」については「子育て支援」という声が大きいようです。社会課題である子供の貧困問題などについてはどういった考えをお持ちですか?
「今回は『品川子育て3つの無償化』ということを掲げているのですが、私が都議会議員時代から重要視して訴えてきている中に“おむつ宅配による0歳児の見守り”というものがあります。これは定期的に0歳児に毎月おむつを宅配するという名目で家庭を見守る取り組みで、兵庫県明石市がやっていて、注目されているものです。児童虐待の未然防止という側面も含めて、子育てを家庭だけが担うのではなく、社会や地域で一緒にやっていきたいと思っています。
今回、国でも来年度の予算でモデル事業が始まるようですが、親の就労の有無にかかわらず希望すればちゃんと地域の保育園で保育を受けられて、家庭の子育て負担を減らしていく取り組みも重要だと思っています。子育ての社会化、つまり家庭だけに任せないで地域や社会が子育てに参画する、就労の有無にかかわらず保育園に入りたい人は入れるようにすることが重要であり、それがひいては児童虐待の未然防止にもつながると都議会でも取り上げてきました。その方法のひとつとして、家庭にアウトリーチしていく明石市のやり方はすごくいいなと思いました。さらに、明石市では子育て支援を充実させたら、人口が増えてきて、税収も上がり、結果として地域全体にとっていいことだという考え方を証明するきっかけになっているのではないかと思います。人口が増えて税収が増えれば、高齢者や障がい者福祉をさらに充実させることができるという好循環を生み出していければと思っています」