声優・花澤香菜に聞いてみた『銀英伝』ラインハルトとヤン、上司にするなら? 恋人にするなら? 励ましてもらいたいのはどちら?
14歳でデビューし、今や日本のアニメーションになくてはならない存在に。『はたらく細胞』の赤血球や『鬼滅の刃』の甘露寺蜜璃など話題作の人気キャラクターに続き、伝説的作品をProduction I.Gによって新たにアニメ化した話題作『銀河英雄伝説 Die Neue These』で主要キャラの一人ヒルダを演じる花澤香菜が『銀英伝』の魅力を語る!
「今回はラインハルト様を心配することが多いんです(笑)」
「まだ新人のころ、レジェンド声優陣が全員集合しているような作品がある、という話を聞いたのが『銀英伝』を知った最初でした。それを見れば代表的声優の声を全部聞ける、と(笑)」
原作は田中芳樹が1982年から87年(本伝)まで手がけた不朽のSF小説。数千年後の未来を舞台に、宇宙空間に進出した人類が“専制政治”の銀河帝国と“民主主義”を標榜する自由惑星同盟という2つの異なる政治体制を持つ二国に分かれて繰り広げる壮大な戦いを描く。
1988年に誕生したOVA版では、ラインハルトに『ドラゴンボール』シリーズでおなじみの堀川りょう、ヤン・ウェンリー役に『宇宙戦艦ヤマト』古代進役の富山敬、そして現在、花澤が演じているヒルダ(ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ)には『NARUTO -ナルト-』の綱手や『美少女戦士セーラームーン』の海王みちる/セーラーネプチューンを演じた勝生真沙子と、まさに伝説的声優陣が集う。
「ヒルダのあの説得力を私が出せるのか、最初は不安でした(笑)。でも序盤のほうで、ヒルダがお父さんに、世の中が大きく動こうとしている時代に生まれてきてよかったということを伝えるシーンがあって、そこに携わりたいという意欲が彼女を動かしているんだということも分かったので、そんなヒルダの好奇心や純真な気持ちを持っていれば大丈夫、私なりのヒルダを演じることができればと思えるようになりました」
そしていま再び、当代のオールスター声優陣をそろえ2018年にスタートした『銀河英雄伝説 Die Neue These』シリーズ。最新作4thシーズン『策謀』では、銀河帝国の最高権力者ラインハルトが、第三の勢力フェザーンによる幼帝誘拐の企みを、自らの野望のために利用しようとすることで、自由惑星同盟との戦いに新たな動きがもたらされていく。
「今シーズン、ヒルダはラインハルト様を心配することが多いんです(笑)。彼女がラインハルトを思いやっているところが、きちんとセリフに乗っかればいいなと思いながら演じました。ただ、今回もセリフが難しくて(笑)。しかもヒルダは頭がいいので、いつもこういうことを考えてるんだろうなという感じで、難しい言葉が自然に出てくる。普段、私は現場でお芝居を変えられなくなるのが嫌で、役を固めすぎないようにセリフを読み込む練習を多くはしないのですが、今回ばかりは呪文のように、朝起きてから徹底的にセリフを慣らしてから現場に入っていました」
両者の戦いが大きな転換期を迎えるなか、ラインハルトがヒルダに寄せる信頼もますます大きくなっていく。そこで気になるのが、帝国vs同盟のどちらに軍配が上がるのか…? まず、ラインハルトとヤン、帝国と同盟。本音を言うとどちらが好き?
「身近に感じるのは同盟軍ですよね。ヤンとも普通に話せそうだし、基本的に和気あいあいとして雰囲気もいいし。でもやっぱり色気は断然、帝国軍のほうがあると思います(笑)。ラインハルトのあの哀愁が、ファンを引き付けるんですよね。あとキルヒアイスとの友情も切なくて。ラインハルトは今も、亡きキルヒアイスの髪をペンダントに入れて持ち歩いて、ときおり眺めたりしてるんです。そんな2人の関係性もグッと来ちゃいます」
上司にするなら、ヤンとラインハルトどちらがいい?
「それはヤンでしょう!上司にするなら絶対ヤン(笑)。率先して働き方改革とかもやってくれそうですし。だってラインハルトは“自分のために血を流せるのか”って聞くんですよ! 緊張感持って働けるとは思うんですけど、私はヤンのもとで働くほうが居心地よさそうだなと思います(笑)」
『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』©田中芳樹/銀河英雄伝説 Die Neue These 製作委員会