女性26歳「読書が好きなのですが、最近新しく読みたい本になかなか出会えません」【黒田勇樹のHP人生相談 129人目】

黒田勇樹「“読みたい”が、なくなった時は“読みたくない”モノを読むのがオススメです」

「読みたくない本を、読む」のがオススメです。

 僕は、台本を書いたり演技をしたり「自分以外の人生」を、想像したり生きることが多いので、特に意識してそうしているのですが“物語”を、人間が求めるのは、まさにこれに近い行為で「人間は“一度しか経験できない人生”」を、何人分も疑似体験するために、本や映画や舞台などを好むのだと思っています。

 猫が兄弟と喧嘩するのと同じで「殺し合いはしないけど、そういうときの練習」として「もしものときのシミュレーション」を、している、みたいな本能も働いているんでしょう。

 だから「読みたい」が、なくなった時は「読みたくない」モノを手に取ってみると、思いの外スッと入ってくるときがあります。

 筆者は、古本屋さんの入口で、100円で売っている本の中から「一番興味をひかない本」を買っておいて、電車が事故で止まったりしたときとかに少しずつ読む様にしていて、時々すげー面白かったりします。

“知らないことを、知る”って、凄く幸せな気がしてるんですよね。

 今では変な経済学とか、ライオンをマンションで飼う方法も知っています。

 好みのモノばかり読んでいると“繰り返し”の様に感じて、飽きちゃうのかな。

 特に、作家とか小説家とか文章を書く人って、筆が遅くてなかなか続編が出ないか、筆が早くて似たような作品連発するヤツばっかりなんで(アーティストとビジネスマンとして、両方、尊敬したうえで言ってます!)“浮気”するのも、大事なことだと思っています。

 読書や芸術に対しての“尻軽”は、誰も責めないから、どんどん楽しんで、失敗すればいいと思います。

 本は、無限に生まれるので“誰かのおすすめ“をとりあえず読んでみたり、前述したように“買うだけ買って”タイミングが来た時に読んでみて「この人の、他の作品が読んでみたい!」と、思える日が来たらラッキーなんじゃないですかね。

 んでは、僕のおすすめ5選

・ワンピース(漫画) 世界で一番売れてる
・星の王子さま(童話) 世界で一番愛されてる
・ランドリー(映画監督が書いた原作小説) 大好き
・容疑者Xの献身(“実写化”のお手本として死ぬほど読んで映画と比べた) 叙述トリックの中で、大問題だけど最高傑作
・マンガの描き方(手塚治虫先生著、絵の描き方から物語の作り方まで網羅されている超名)これ読めば大体物語の作り方も描き方もわかる

 一番興味がないものを1冊か、とりあえず全部か読んでみて下さい。

 なんか、また読書との恋愛が再開すると思います。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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