夜の水族館で生き物の「死」と「その先」を考える サンシャイン水族館「終わりは始まり展」
照明を落とした大水槽「サンシャインラグーン」はフォトスポットとしても楽しむことができる
大水槽「サンシャインラグーン」は幻想的なフォトスポットに
展示は北の大地の水族館(北海道北見市)で撮影された「鮭の産卵」の映像からスタート。館内には飼育スタッフが考案したクイズ「命を繋げ!運命の選択~自然の中を生き延びろ!~」を6問設置。実際に生き物たちの身に起こることを題材にし、ゲーム感覚で生存戦略を知ることができる。
夜の水族館の中で、常設展示の生き物にイベントのテーマに沿った17の解説パネルがついている。たとえば、マイワシの寿命は長いもので7年程度だが、卵から成魚になるまでの生存率は数万分の1といわれ、多くの個体は他の生き物に捕食される運命にあるのだとか。とはいえ、無数のマイワシの命が大型魚類やクジラの命を支えていると考えることもできるのだ。
海洋生態系の重要な役割を担うオオグソクムシ、約2週間かけて数万個の卵を産んで孵化を見届けて死んでゆくミズダコのメス……。生命の神秘に触れることで、いつも見ているはずの生き物たちの生態が輝いて見えてくる。
1階の大水槽「サンシャインラグーン」はイベントに合わせて照明を落とし、中央に淡い黄色の光が当たり幻想的な雰囲気に。この水槽を背景にフォトスポットとしても楽しむことができる。いつもは仕切られているクラゲエリア「海月空感」のカーテンも開けられ、見たことのない開放的な空間が広がっている。