林修氏らが提唱する「国消国産」とは?日本の食料問題を考える「みんなの食料安保!」

写真左より吉田明世氏、西井佳音さん、中島佑樹さん、佐藤崇史氏、平澤明彦氏

 後半はフリーアナウンサーの吉田明世氏をモデレーターに、農中総研執行役員基礎研究部長の平澤明彦氏、JA全青協会長の佐藤崇史氏、日本大学商学部4年の中島佑樹さん、龍谷大学経営学部4年の西井佳音さんによるトークセッション「食の未来予想図を考える」を実施。

 平沢氏は、日本の食料安全保障の問題として「そもそも農地が足りないのでたくさんの食料を輸入しているが、輸入がどれだけ頼りになるかというと日本で自給自足するほど確実ではない。国内で食料を増産するためには農地を守っていく必要があるが、今はそれがだんだん難しくなってきており、日本の農地をどうやって残すのか、それを支えている農家をどうやって維持していくのかが今の課題」と指摘。

 佐藤氏は「食べ物というのは生産者と消費者、みんなで考えなければならない。そのためにも国民の皆さんに現状と今後を理解してもらい、一緒に考えてもらうことが必要ではないか」と危機感をあらわに。

 中島さんは福島県いわき市のファーム白石で里芋「長兵衛」や水耕栽培のピーマンの収獲を体験し「思いの共有」の重要さを、西井さんは滋賀県蒲生郡の農場でイチゴの植え替えとスイートコーンの収獲を体験し「伝える農業」の大切さを発表。平沢氏はヨーロッパの事例として、フランスの「エガリム法」やスイスの農業政策を紹介した。

 最後に平沢氏は「政策で農家の支えていくことは非常に大事で、農業所得を支えていかなければ農業の縮小は止まらない。これは国民の皆さんが理解してくれないとできないことで、国民的な議論と合意を形成して日本の農業を支える形ができればいい」、佐藤氏は「生産者は作物や動物に対する愛、日本の食卓を守るための愛をもって生産している。今回のイベントを機に日本の農畜産物や生産者のファンになっていただき、我々の愛と皆さんの愛が両思いになることがみんなの食料安全保障や国消国産の実現になる」とまとめた。

 イベントの模様は14日より「JAグループ」公式サイトで公開され、中島さんと西井さんの体験の模様はJAグループが運営するYouTubeチャンネル「アグリンch(農Tuber)」で試聴できる。