TSUTAYA えほん大賞に『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』 横澤夏子も感激「娘はこういう気持ちだったのね」

 

 新人賞は、阿部結氏の『なみのいちにち』(ほるぷ出版)。阿部氏は「私が生まれ育った宮城県気仙沼市の海を見ながら作った絵本です。その絵本が50年後も語り継いでいきたい絵本として選んでいただけたことを本当にうれしく思います。これからもたくさん絵本を作っていきたいと思うので、ぜひみていただけたらと思います」とスピーチ。

 横澤が海は自身にとってどういう存在だったかと聞くと、「海はずっと傍にあったんですけど、そこにいるときはそこにあるものだったので気づかなかったのですが、気仙沼から外に出てから、すごい海が恋しくなって。こんなに自分にとって原風景になっていたんだと気づけた」と話した。

『TSUTAYA えほん大賞』は、全国のTSUTAYA、蔦屋書店の児童書に関わる担当者が自分のこどもに読み継ぎたい、語り継いでいきたい、50年後も読まれている作品をTSUTAYAで育てたいという願いを込めて選んだ作品。直近1年間(2021年8月1日~2022年7月31日)に発表された作品が対象となっている。

 全国のTSUTAYAや蔦屋書店では27日から受賞作品を店頭で大々的に展開する。

 また、11月12・13日には代官山 T SITEで『えほん博』も開催する。

 

 毎日読み聞かせの横澤夏子「バーコードまで読むつもり(笑)」

 

 イベントには、お笑い芸人の横澤夏子がプレゼンターとして出席した。横澤は二児の母で現在1歳と2歳の娘の子育て中。毎日が「大賑わい、お祭り騒ぎ」だと笑い、「今日だって血眼で来ました。私は絵本大賞というお仕事で行きたいんだということをしっかり2人に伝えて、ちょっと早めに朝ご飯を食べさせて、ママチャリ乗せて送り届けて……」と身振り手振りをいれながらのトーク。司会を務めたピン芸人のタケトが「R-1のコントで披露した状態が現実になっているみたいな…」と笑うと、「そうなんですよ。いま、ネタの伏線回収しているみたいです。ずっとネタやっている状態です。毎日コントですね」と笑い飛ばした。

 子どもたちは絵本が大好きで、読み聞かせもしているという。1歳と2歳半では持ってくる本が違うといい「私の前に行列ができている状態。でも、1歳の子は順番の観念がないから、どんどん本を投げ入れてくる」のだという。第1回の際に授賞式に出席した横澤はその時のアドバイスを実践しているといい「表紙と裏表紙もしっかり読んであげてくださいという言葉に感銘を受けて、バーコードまで読むつもりでいます(笑)。絵本作家さんが気持ちを込めていると思ったら、しっかり開いて裏を見せてあげるとか……今日もすごい勉強しにきています」と、やる気。授賞式でも、タケトと一緒に、受賞者に難問も質問を浴びせるなどして盛り上がった。

■「第3回 TSUTAYA えほん大賞」 受賞作品

1位『かみはこんなに くちゃくちゃだけど』ヨシタケシンスケ(白泉社)
2位『大ピンチずかん』鈴木のりたけ(小学館)
3位『パンどろぼうとなぞのフランスパン』柴田ケイコ(KADOKAWA)
4位『さかなくん』しおたにまみこ(偕成社)
5位『戦争をやめた人たち 1914年のクリスマス休戦』鈴木まもる(あすなろ書房)
6位『ひよこは にげます』五味太郎(福音館書店)
7位『ねこいる!』たなかひかる(ポプラ社)
8位『ドーナツペンタくん』柴田ケイコ(小学館)
9位『あなたがうまれたとき』作:くさかみなこ 絵:横須賀香(小学館)
10位『ゆかしたの ワニ』文:ねじめ正一 絵:コマツシンヤ(福音館書店)

新人賞『なみのいちにち』阿部結(ほるぷ出版)

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