1人で開発を始めNASAに認められた超小型探査車や驚きの高性能吸水サニタリーショーツ…世界に羽ばたく東京の中小企業を取材
【生理期間中や尿モレに対応した女性たちの声から生まれた高性能吸水サニタリーショーツ】
特別賞と、女性活躍推進知事特別賞を受賞したのは、株式会社BLAST(渋谷区)が開発した、生理期間中に使用できる吸水サニタリーショーツ「Nagi」。独自の縫製技術による5枚構造で、100mLを超える高い吸水量を実現。平均的に1回の経血量は20~140mLといわれているので、そのまま使用できるほどの高い吸水量となっている。特許出願中である、防水布を折り返す独自の積層構造により漏れを防止できる。国産素材・国内生産で、洗って繰り返しの使用にも耐えるしっかりした作り。カラーやデザインもさまざまで、好みや状況に合わせて選択できるのも革新的。
話:株式会社BLAST COO・下條友里さん
「弊社は、代表(石井リナCEO)が日本のジェンダーギャップに衝撃を受けて創業したという背景があり、ブランドとしてさまざまなコンテンツを通して女性たちをエンパワーメントしていくことを目指しています。もともとはメディア事業から始まっており、海外のフェミニズムの潮流など女性たちにさまざまな情報を提供していた中で“もっと物理的に女性たちをサポートしたい”と考え、女性たちの生活と切っても切り離せない生理期間をより快適に過ごしてもらいたいという思いも込めて開発が始まりました。
一般的に吸水サニタリーショーツというと平均の吸水量は大体30〜40mLですが、Nagiのショーツはデザインによって最大105mLの吸水量を実現しています。吸水量の異なるタイプを用意しているので、ご自身の状況によって使い分けていただくことができます。また、洗って繰り返し使っていただくものなので、国産素材を使い国内でしっかり作っているので、へたりにくいのもポイントです。ユーザーの方からは大体1年以上、快適に使っていただいているという声も頂いています。生理期間中に使用いただけるラインだけでも、複数のデザインやカラーを用意しているので、自分の好みや状況に合わせた選択肢があるのも、喜んでいただいていますね。
実際、使用した方からは“想像以上に快適で安心”という声を多く頂いていて、おりものや軽い尿モレなど、私たちが考えていた生理用以外でも活用していただいているというお声もあり、逆に私たちがメリットや可能性をユーザーの方から教えていただくことも多いです。
まだ検討しているところではありますが、海外への展開も視野に入れておりまして、今回の受賞はそれを後押ししてもらえるものとして、とても喜んでいます。もともと吸水サニタリーショーツは欧米で広く使われているものなので、海外の方がなじみのある方が多く、弊社製品は平均的な海外のものよりもかなり高い吸水量を誇ると自負していますので、可能性を感じています。とくに近年はアジア圏でフェムテック製品への関心が高まっており、日本製ならではの質の良さとともに、アピールできるのではないかと思っています。
Nagiの開発にあたっては、製品化まで1年半にもわたって150人を超える女性たちに何度も使用していただき、フィードバックを反映していきました。その多くの方の思いも乗っている受賞だと思っています」