コシノジュンコ氏らがデザイン談義!豊島区制90周年記念「街中まるごと−デザインミュージアム−池袋」
豊島区制90周年を記念したイベント「街中まるごと-デザインミュージアム-池袋」が1日からスタートし、「自由学園明日館」講堂にてデザイナーのコシノジュンコ氏とグラフィックデザイナーの佐藤卓氏による「人とデザイン・新たな街文化の創出」をテーマにした講演が行われた。
冒頭でグラフィックデザイナーの天野幾雄氏が日本デザイン団体協議会(D-8)の活動とジャパンデザインミュージアム構想、街中まるごとデザインミュージアムについて紹介。豊島区の高野之夫区長がビデオで「今後のジャパンデザインミュージアム構想を全力で応援したい」とメッセージを寄せた。
第1部に登壇したコシノ氏は、豊島区との接点を「昨年3月、アートフェア東京の企画で高野区長と対談してすごく気が合ってしまった」と振り返る。「あれから高野区長は “豊島区全体をミュージアムにする” という構想を着々と進め、私は何度も豊島区に足を運んでいます」といい、池袋グローバルリングシアターで自身がプロデュースしたイベントについて紹介。
昨年9月に開催した「TOSHIMA ARTS LIVE 2021」は、オペラ・オーケストラ・バレエ・ファッションが融合した野外エンターテインメント。コシノ氏は「無観客のオリンピック閉会式を経験したソプラニスタの岡本知高さんは、 “観客の前で歌えることは震えるほどうれしかった” とおっしゃっていた。目の前で生のパフォーマンスを見る体験は心に残りますし、日本でこうしたことができる場所はここ以外にない」と断言。
さらに、今年8月開催の体験型盆踊りフェス「JAPAN 盆踊り FESTIVAL 2022」について、「昼は阿波踊りやエイサーなど各地の盆踊り、夜はDJと一緒に(コシノ氏デザインの)浴衣でサルサを踊るクラブのような会場に変身します。今夏は雨が多かったので、このイベントで初めて浴衣を着られたという方も多かった。オープンエアというのは大変で、会場を使いこなすのも難しいけれど、成功するとすごく面白い」と語った。
その後も米メトロポリタン美術館のショー(1990年)、フランス国立ギメ東洋美術館「着物」展(2017年)、GINZA SIX 観世能楽堂「観世清和×コシノジュンコ 能+ファッション “継承される伝統と現代の融合” 」(2020年)、大分県立美術館「原点から現点」展、書籍『コシノジュンコ 56の大丈夫』(2022年)といった足跡を辿った。
「ファッションデザイナーは “ファッション” という言葉を取るといろんなデザインができる。私は花火のデザインもしますし、デザインというのは衣装だけではなく、もっともっと幅広いものだと言いたいです」とコシノ氏。最後に会場に向けて「出会いというのはひとつの始まりで、高野区長との出会いが私と豊島区の出会いの始まりでした。もし豊島区にデザインミュージアムができたら、世界中から注目されていろんな人が集まることになると思います」と語りかけた。