元キャスター若林理紗「やる気のある子どもたちが自由に挑戦できる場が必要」SDGs教育の課題について議論

松本さん(右)は学生ながら自身の経験を元に堂々と意見を述べた

 松本さんは「SDGs学習カリキュラム」の取り組みとして、今年6月に渋谷で行われたワークショップ「主体的なアイデア創出による “新しいことを生み出す” 楽しさとは? 〜SDGsの視点で地球にやさしい行動を見てみよう〜」について報告した。発端は、SDGsという言葉は広く普及しているが、自分ごととして捉えている人は少ないのではないかという疑問から。まず、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」を軸に、もうひとつの目標を各グループが17のゴールから選び、2つの目標に関連する社会課題を調査。その課題を解決するためのビジネスアイデアを検討し、発表を行った。松本さんは、多彩なアイデアが出たことに加え、「大学生だけでなく、高校生から社会人まで、老若男女幅広い世代が集まったことが大きな収穫」と述べた。

 喜久里氏は、アントレプレナーシップの世界的な潮流について語った。かつては “起業家精神” など、ビジネス領域に特化した言葉として使われていたが、昨今はもっと幅広い層における新しい気付きや行動変容の姿勢、態度として捉えられており、教育の早期化も叫ばれている。さらにSDGsとの相性のよさも踏まえ、今年8月に早稲田大学 理工学術院の実験教室「早稲田ユニラブ」の新プログラムとして始めたのが「アントレプレナーシップとSDGs」。大学生がファシリテーターとなり、小学5・6年生が社会課題に対するさまざまな起業アイデアを出し合った。喜久里氏は、小学生だけでなくファシリテーションをした大学生たちの “表情の変化” にも着目。学習カリキュラムには、教える側にも多くのメリットがあることを実感したという。

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