ジュリアロバーツとジョージクルーニーが“最高の元夫婦”を演じる映画『チケット・トゥ・パラダイス』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
11月18日に南阿佐ヶ谷TALKING BOXで「VS怪奇芸人VOL.1 黒田勇樹 トークライブ」に出演させていただきました。聞き手を務めていただいた斤神ヤジリンさん、タチバナビッチさん、セクシー川田さん、ありがとうございました。現場で、そして配信で見ていただいた皆さん、どうもありがとうございました。
アーカイブが12月2日まで販売されるとのことですので、当日見逃した方はぜひ!
では今週も始めましょう。
離婚した夫婦が、娘の結婚を阻止しようと協力するという、俯瞰で見るととてもシンプルなストーリー。
卒業旅行先のインドネシアで、出会った青年と恋に落ちて、というところから始まるんですが…。
離婚した元夫婦を中心に、娘、彼氏、親友、親族、元妻の今カレ、などなど“相関図”にしたら「矢印だらけになるやろがい!」という設定を、重箱の隅をつつくように、丁寧にそれぞれ描いていきます。
これだけ書くと、重い内容に見えると思うのですが、全然そうじゃない。
バリの美しい景色と、主演のジュリアロバーツとジョージクルーニーが天真爛漫ともいえるほど楽しそうに演じている姿が、ずっと心を温かくしてくれる。
シンプルなドラマだからこそ一挙一動、一言一句、名優たちの表情や言葉を楽しむことが出来ました。口喧嘩のシーンなんかは俳優をしている筆者にとっては、本当に「俺得」と言える、演技の応報。
で、その実、中身はひたすらに、家族間や人間同士の愛を描く映画。
主演の2人は制作にも関わっていたようで、なんかこう偉くなっちゃった人達って、えっちなのとかバイオレンスなのとか作りがちなのに、この2人は“こっち”を、選択したんだな、と、思うと泣いちゃいそうでした。
添い遂げるのは1人で、別れる相手はいっぱいいるという視点から見ても、現実の恋愛は上手くいかないことがほとんどなので「ラブコメ✕ヒューマンドラマ」って実はすごく難しいかけ合わせなのですが、この作品では描き方も恋の仕方も、正解を見せて頂いた気がします。
同じジュリアロバーツ主演のノッティングヒルの恋人とか傑作だけど、女優が家に飛び込んでくるとか素人のカーチェイスとか“とんでも”じゃないですか!
そういう小細工(ノッティングヒルを悪く言っているワケではない!あれは工夫!大好き!)なしで、ここまで魅せてくれる映画。
タイトルの通りチケット・トゥ・パラダイス、リゾートにでも行く気持ちで、是非劇場に足をお運び下さい。
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23