盲導犬との歩行体験を通じて視覚障害を考えるイベント、東洋大学の学生たちが企画し開催

 

 イベントでの歩行体験は、まず、体験者がアイマスクをした状態で障害物のある道を歩き、その後に、同じく障害物のある道を盲導犬と一緒に歩くことで、違いを感じてもらうというもの。ひとり歩行ではぎこちなく不安そうに歩いていた体験者が、盲導犬と一緒に歩くことでスムーズに歩行する様子が見られた。

 体験した同大学2年のキム・ジュホさんは「盲導犬が障害物にぶつからないように体を寄せてくれたので、ぶつからずに済んだ。頼りがいがあった」と感想を話す。また「盲導犬がいれば(サポートしなくても)大丈夫なのかなと思ったけれど、実際見えないと自分がどこにいるか不安になることもある。もし道で困っている視覚障害者の方を見かけたら、積極的に声がけしていこうと思う」と、体験での気づきを話した。

 イベントを企画した同2年生の飯尾陸斗さんは「自分がアイマスクをつけたときは、遠くのトラックの音すら怖かった。目の見えない不安や恐怖はもちろん、盲導犬がそばで導いてくれることでの安心感など、実際に歩行体験することで、視覚障害を持つ方の気持ちに寄り添い、関心を寄せてもらえれば」と、参加者に呼びかけた。

 国土交通省によれば、2020年度に駅のホームから転落した視覚障害者は全国で41名。このうち3名が列車等と接触し、人身障害事故につながっている。