2023年版「アニメ聖地88」『リコリコ』選出も『すずめの戸締まり』『スラムダンク』落選のワケ
新たに『リコリス・リコイル』の東京都墨田区も選出された(筆者撮影)
これは、ディズニーのシンデレラ城のモデルとされているお城がヨーロッパ各地にあり、またジブリの『千と千尋の神隠し』の湯屋のモデルが一つに絞りきれず、日本各地や海外にもあることを考えると事情を理解しやすいかもしれない。
また、限りなく実在する場所や施設がモデルになっている場合であっても、作品の世界観やブランドを守るために製作側が公認していないケースもある。
一方でこうした状況にも変化のきざしがある。例えば今回和歌山市で初選出となった『サマータイムレンダ』は、マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」で連載されていた作品であるが、今年3月にヒロインの小舟潮が「和歌山市アニメ観光大使」に就任した。こうした動きを受けて『サマータイムレンダ』が今回選ばれたとみられる。ジャンプ作品が「アニメ聖地88」に選ばれたのは異例のことだ。
このように版元側の姿勢が年と共に緩和している傾向もある。作品の舞台を「聖地」として盛り上げていく動きは来年以降も進んでいくことだろう。
(取材・文:河嶌太郎)