初詣に最適なアニメゆかりの神社仏閣108選『鬼滅』『ラブライブ!』…卯年に行きたいのは?

 2023年、いよいよコロナ禍で初の何も制限がない正月を迎えられていることだろう。それまでは人混みのイメージが強かった初詣だが、来年こそは行ってみようと思っている人もいるかもしれない。

2019年の神田祭の神田明神の様子(筆者撮影)

 一方で、アニメやマンガなどの舞台には、神社仏閣がファンの集まる「聖地」になっているところも少なくない。こうした物語の舞台を観光する行動は俗に「聖地巡礼」とも呼ばれているが、その背景には神社仏閣、特に神社がファンの中に印象的な場所として記憶に残ることが多く、また一般の屋内施設とは異なり公園に行く感覚で訪れやすいことから、まず舞台地に行くと神社仏閣を訪れる人が多いことが挙げられる。

 例えば「聖地巡礼」が一般にも知れ渡るきっかけとなった2007年放送のアニメ『らき☆すた』では、埼玉県久喜市にある鷲宮神社に多くのファンが訪れ、キャラクターが描かれた絵馬が多数奉納されたことからテレビなどで広く取り上げられた。

 その後も、09年の『けいおん!』の京都の今宮神社や、12年の『ガールズ&パンツァー』の茨城県大洗町にある大洗磯前神社をはじめ、アニメの「聖地」として取り上げられる作品には、ほぼ必ずと言っていいほどファンが多数絵馬を奉納している神社がある。

 こうした絵馬は「痛絵馬」と呼ばれることもあるが、これが多数奉納されるようになってくると、この「痛絵馬」を見に行くことの面白さも加わり、ファンにとって神社のさらなる観光地化にひと役買っている。

八幡竈門神社(別府市)にファンが奉納した『鬼滅の刃』の絵馬(筆者撮影)

 他にも作中に登場していないにもかかわらず、キャラクターの名前つながりなどから、ファンによって「聖地」化してしまうこともある。

 例えば、2020年に大ヒットした『鬼滅の刃』の宝満宮竈門神社(福岡県太宰府市)や溝口竈門神社(福岡県筑後市)、八幡竈門神社(大分県別府市)は、物語の主人公・竃門炭治郎の名前つながりで多くのファンが訪れている。また、登場人物の一人、「伊黒小芭内(いぐろおばない)」の「蛇」や、鬼が苦手とする「藤」つながりから宮城県岩沼市の金蛇水(かなへびすい)神社にもファンの絵馬が多く飾られている。

 作り手側が意図しない形でファンが集まる場所になってしまうこともあり、実際に『鬼滅の刃』の版元の集英社は、これらの神社を作品のモデルであるとこれまで「公認」していない。

 公認、非公認のものも含め、アニメ作品に何らかの関わりのある神社仏閣のうち、筆者が全国108カ所選んだリストを挙げた。これでも全アニメ作品をとても網羅できているわけではなく、実際にはこれよりはるかに多くの神社仏閣に作品のファンが訪れている。京都の伏見稲荷大社のように、一つの神社仏閣でも複数の作品の舞台になっている場合もある。

金蛇水神社(岩沼市)に奉納された『鬼滅の刃』の絵馬(筆者撮影)
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