サンシャイン水族館の「タチウオ」は飼育スタッフが釣っていた!? 冬のタチウオ採集に密着

 東京・池袋のサンシャインシティの屋上に広がる日本初の都市型高層水族館「サンシャイン水族館」。 “天空のオアシス” をコンセプトに多くの生き物が暮らす同所では、一昨年の冬より非常に飼育が難しいといわれる深海魚の仲間「タチウオ」を展示中だ。この「タチウオ」、実は飼育スタッフが自ら採集していることをご存知だろうか? サンシャイン水族館のタチウオ採集に記者が密着した。

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スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する深海魚の仲間「タチウオ」

「タチウオ」とは、スズキ目サバ亜目タチウオ科に属する深海魚の仲間で、日本では北海道から沖縄まで幅広く分布。体長は1・5メートル前後にもなり、名前の由来は姿が太い刀に似ているから “太刀魚” だとも、立つように泳ぐ姿から “立ち魚” だともいわれている。実はタチウオにはウロコがなく、体表はグアニンという銀色の成分で覆われているだけ。そのため体が傷ついて弱りやすく、採集や飼育が困難で国内でも展示している水族館はごくわずかだという。

 サンシャイン水族館では2017年、約20年ぶりにタチウオの展示を実施。2020年12月にも展示して好評を得たことから、以降は定期的な展示にチャレンジしている。関東近県で協力してくれる釣り船を探し、月1~2回、飼育スタッフが東京湾に出てタチウオを採集。今回はタチウオ担当の飼育スタッフ・三田優治さんを筆頭に魚類担当4人と海獣担当1人の総勢5人でタチウオ採集に挑んだ。

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