サンシャイン水族館の「タチウオ」は飼育スタッフが釣っていた!? 冬のタチウオ採集に密着

朝6時30分、最寄駅から釣り船「三喜丸」に向かう風景はまだ暗い

 昨年12月下旬。この日は神奈川県横浜市の柴漁港を拠点とする釣り船「三喜丸」に6時30分に集合し、デッキにタチウオ用の簡易プールを設置するなど、準備を行ってから7時に出港。飼育スタッフは全員が前泊というから恐れ入る。

釣り船のデッキにタチウオ用の簡易プールを設置する飼育スタッフ

 ちなみにタチウオは日中、光合成のために海の表層に移動するプランクトンに伴い、エサとなる小魚と共に表層に移動する “日周鉛直移動” をしている。しかし、水温が高いとエサに食いつくが、水温が低いと食いつきが悪く釣果が下がる傾向に。ある飼育スタッフは、今回の採集を「かなり厳しい戦いになる」と予想する。

エサのコノシロをカエシをなくした釣り針につける

 出港から10分ほどが経過し、最初のポイントに到着。魚群探知機でタチウオの群れの位置を確認し、船長が「水深15メートル、海底から3~4メートル」と指示するタナ(魚がエサを取ったり遊泳したりする層)を狙って仕掛けを投げる。エサはコノシロで、釣った際にできるだけ個体を痛めないよう、カエシ(エサが落ちたり掛かった魚が針から抜けることを防ぐ部分)をなくした釣り針を使用している。

船長の指示ダナに仕掛けを投げていよいよタチウオ採集スタート!