医療DXにスマートウェルネスシティ。QOL向上のためのキーワードとは〈BEYOND 2020 NEXT FORUM〉
日本の「がん検査」受診率、先進国で最低?
最後のテーマは「QOLと未病対策」。広津氏が代表を務める「株式会社HIROTSUバイオサイエンス」の事業内容やがん検査の課題などについて説明した。
がんの匂いを嗅ぎ分ける「線虫」の嗅覚を使ったがん検査「N-NOSE(エヌノーズ)」の開発・販売を行う同社。自宅で採尿するだけで受検が可能だとして、近年注目を集めている。昨年11月には早期発見が難しいと言われている、早期すい臓がん検査「N-NOSE plus すい臓」を実用化し、すい臓がんの早期発見・治療の一助になることが期待されている。また現在、これまでなかった小児がんやペット用のがん検査の開発も進めており、そうした活動が認められて2023年、日本のユニコーン企業で唯一ダボス会議に招待された。
広津代表によれば、日本は先進国の中でもがん検診の受診率が低く、50%にも満たないという。「早期に見つければ治すことができる病気ですが、発見が遅れると5年生存率も結構低い。しかもその治療が大変であることから、QOLに直結してるような病気」と指摘した。また、これまで日本にあったがん検査は、高額であったり、精度が低く早期発見には向かなかったりするほか、それぞれの部位で別々に検査をする必要があったりと、時間や手間がかかる問題もあったという。「一回の検査で全身網羅的に調べることができるもの。そして、安くて簡便で精度が高いものでないといけない」と、これまでの検査が抱えていた課題から「N-NOSE(エヌノーズ)」の開発に乗り出した。
これには加藤大臣も「初期であればご本人の健康はもちろん、医療費の負担も低く抑えることができる。検診に行くのって手間がかかるし費用も高額ですが、そのハードルを下げていただいてる。本当にありがたい取り組みだと思います」と話し、今後に期待を寄せた。
プログラムの模様はYouTube「TOKYO HEADLINE《ACADEMY》チャンネル〈政治・ビジネス・SDGs〉」チャンネル(URL:https://www.youtube.com/channel/UCFlMcnPgoIsGtKetHS9nwkA)で2023年1月14日18時より視聴可能。
2023年1月14日18時より視聴可能
https://www.youtube.com/channel/UCFlMcnPgoIsGtKetHS9nwkA