にしおかすみこ、認知症の母ら描いた『ポンコツ一家』波田陽区の感想は「忘れました!」

 お笑いタレントのにしおかすみこが21日、都内で『ポンコツ一家』(講談社)刊行記念フォトセッション&囲み取材に登壇した。

『ポンコツ一家』(講談社)刊行記念フォトセッション&囲み取材で奇声を発するにしおかすみこ

 日本テレビ系「エンタの神様」で女王様キャラのSMネタでブレイクしたにしおか。著書『ポンコツ一家』は「FRaUweb」で連載した同名エッセイに5編の書き下ろしを収録。認知症の母、ダウン症の姉、酔っぱらいの父……愛を込めて “全員ポンコツ” と呼ぶ自らの家族との日々を綴り、連載初回には1200万PVものアクセス数を叩き出した。

 冒頭「ア゛ーーーーーッ!!!」と奇声を発しながら登場し、ムチを片手に「『ポンコツ一家』という本を書いて浮かれている~2007年くらいに流行った~一発屋の女王様っていうのはどこのどいつだ~い? ……アタシだよっ!」と往年のネタを披露。

 執筆の動機はコロナ禍で「元々あまりなかった仕事がゼロになった。無職になったので家族分の生活費を稼ぎたかった」とにしおか。

「書くことが好きだったので、好きなことをしたいというのがあった。母と生活していて、頭と心と体全部が健康である期間はそんなに長くないんじゃないかと思って、やれる時にやっておこうと思いました。私を入れて4人家族なんですけど、3人の誰かが倒れた時に家でできる仕事があったらいいなと思って、パソコン1台だったら何とかできる」と一気に語り、エッセイには「私が書いたものを読んで、笑ってくださったり、疲れている方がちょっとでもホッとしてくださったり、箸休めになったらいいなという思いで書きました」と希望を込めた。

 発売した書籍について「母がこれを読むことで “自分がこんなにできなくなった” とか “娘にこんなふうに迷惑をかけている” と傷ついてほしくないので、あえて見ることはないんじゃないかと考えて読ませたくないと思っています」と複雑な心境を吐露。ところが「本が出ることがすごくうれしくて、ポロッと “出るよ” と言ってしまった。その時は “誰が買うんだ” と言っていたので、さすが身内だなと思った」と苦笑い。

 さらに家族に対し「父や姉には “知らなくていいかな” と思って言ってないです。姉は本を読めるほうではないんですけど、喜んでくれるとは思います。父は分からないですね。連載がネットニュースに出たのを見つけた時は  “母と姉のことは悪く書かないように。自分のことはどうでもいいから、いろんな方に好きになってもらえるように文章を書きなさい” と言ってくれた。でも、父は酔っぱらいでそんなことを言うタイプじゃないから、きっと私がそれも書くなと思って言ってるなというのがある」と分析した。

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