7000回ぐらい見直したい!オールドボーイのパク・チャヌク監督6年振りの最新作!映画『別れる決心』は、ここが凄い!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
本日(2月1日)は2月21日からスタートする三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13『シン・デレラ』の稽古初日です、もしくはでした。
これから楽しい日々が続きます。いや、なんか大変なことが起こるかもしれないけど、それすらも楽しく思えるような稽古になるような気がします。
少しでも興味を持っていただいている方がおられましたら、ぜひ。
では今週も始めましょう。
公開前の映画の感想を書くときに「バイアス」とか「フィルター」とか、呼ばれる“先入観”みたいなものを、あまりこれから観る人たちに植え付けてしまわない様、気を付けているのですが…今回は、もうゴメン!言う!言わずにはいられない!
カット割りが、すげぇぇええええ!
今回鑑賞した作品は、いまだ根強いファンの多い韓国映画『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督6年振りの最新作『別れる決心』。
夫が謎の死を遂げた女性と、その事件を捜査する不眠症の敏腕刑事の間に…湧き上がる言葉にできない感情!
もうね、タイトルがね、ネタバレとかじゃなくて「別れる決心」だからね。誰と誰の別れの話なのか想像つくと思うのですが、ここからが凄い。滅茶苦茶ちゃんとしたミステリーで、濃厚なラブストーリー。
刑事と被疑者の恋愛ものなんて、転校生と恋に落ちたり、ゾンビに世界が覆われたりするぐらい“こすり尽くされた”ジャンルのはずなんですが、新鮮で目が離せない。
主演のパク・ヘイル、タン・ウェイ両人の演技が素晴らしいのもさることながら、それを魅せる“カット割り”が、ヤバすぎたんです。
「カット割り」は、カメラのアングルが別のアングルに切り替わる繋ぎ方のことですね。
複雑な事件と繊細な恋愛感情を、これでもかという程、映像技術を駆使して見せていく。
ハイテク捜査の場面では監視カメラから実際の場面へ、証言を聞く場面では聴取している刑事がいつの間にかその空間にいたり、SNS風のテロップも平気で出すし、そこまでやっておいて、大事な場面は、大体、山か海かの大自然。
このとんでもないストーリーを、とんでもない映像で届けてくれた監督に感謝しかない。どんだけコンテを書いてから撮影に挑んだんだろう…CGとか撮影機材とかどれだけ最新のものを取り入れたんだろう…映像を作る人間としては、涎が垂れそうでした。
この全てを使いこなすのはもう、知識や経験、テクニックというより“執念”なんでしょう。
まずは、作品全体を楽しみ、次はドラマを楽しみ、サスペンスを楽しみ…映像の技術をしゃぶりつくすのはその後ですよ!
何回でも観たくなることお墨付きの本作、今月公開です!是非劇場のスクリーンで!
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23