“水と生きる”サントリーの新たなチャレンジ ちいさな新発明「minel」発売
サントリー食品インターナショナルは、2月9日に都内で「水」に関する記者発表会を開催した。発表会に登壇した同社代表取締役社長の齋藤和弘氏は「サントリーグループは創業以来、水と生きている会社だ」と語りサントリーのこれまでの水に関する取り組みと、今後の活動について発表した。
これまでの水に関する取り組みの例としては、2003年から実施し、今年で20年となる水源涵養活動、サントリー「天然水の森」活動に触れ、「自社の国内工場で汲み上げる地下水量の2倍以上の水を森で育んでいる」と話した。さらに、水源涵養活動を事業として成り立たせるために地下水の流れを解明し、それを支える水源の涵養量の測定をするなど、科学的なアプローチで水と向き合う研究をしていることを説明した。
また、「水」にまつわる製品についても触れ「国内清涼飲料市場でNo.1ブランドである『サントリー天然水』などで、中身はもちろん容器、ラベルなどたゆまず進化させ、水の新しい楽しみ方を提供し続けていく」とした。
そして、今後の取り組みとして、同日新たに発表されたのが、ミネラルinウォーターキャップ「minel」だ。
壇上の齋藤氏がおもむろに取り出したのは、手のひらサイズの黒いキャップ。「この小さなキャップの中に液体が充填されており、この液体こそが我々の“小さな”新発明だ」と語った。
この商品は従来、サントリーが販売してきた中身入りの清涼飲料水とは異なり、このキャップと、そこにつめられたエキスが商品だというのだ。この商品に使用されている“植物ミネラルエキス”はココヤシのヤシ殻活性炭から抽出した100%自然素材のミネラルエキスで、専用ボトル(約1.5L)に水道水など家庭で普段飲んでいる水を入れ、キャップを装着しひねるとキャップに充填されたエキスが噴射し、家庭の水を一瞬でまろやかな味わいに変えてくれるのだという。
この商品の特長について齋藤氏は、「4大ミネラルの一つであるカリウムが豊富で、塩素を分解する作用や水を弱アルカリ性に変える効果がある」と説明、「その結果 “植物ミネラルエキス”由来のまろやかさを特長とする、これまでの家庭の水とは違う新たなおいしさが楽しめる」と語った。また「このキャップにリユースボトルを組み合わせることで、お客様の利便性も追求している」と言い、置き場所に困らない、買い物も楽、飲んだ後も嵩張らないなど、生活上のメリットがあることも説明した。
発売に当たっては専用ECサイトを立ち上げ初回は5000名を対象に抽選販売する。齋藤氏は「お客様と直接つながることで利便性の追求や嗜好の変化を迅速に捉えながら、大きな市場へと育てていきたい」と語った。
創業以来、「水」にこだわり「水」と向き合い続けてきたサントリーの新たなチャレンジ「minel」、果たして「水」の新たな市場開拓となるのか、その動向には注目が集まりそうだ。