舞台『となりのトトロ』英国演劇賞で最多5冠獲得の快挙!世界初演にロンドンっ子熱狂
英ロンドン「バービカン劇場」で上演し、ロンドンっ子を熱狂させた舞台『となりのトトロ(原題:My Neighbour Totoro)』が、12日にロンドンで開催された演劇賞「第23回WhatsOnStage Awards」授賞式で最優秀演出賞を含む最多の5冠を獲得したことが分かった。
世界初演の舞台版『となりのトトロ』は映画の音楽を担当した作曲家・久石譲が提案し、宮﨑駿監督が快諾したことからプロジェクトが始動。久石がエグゼクティブ・プロデューサーを務め、イギリスの名門演劇カンパニー「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)」と日本テレビの共同製作で舞台化した。
昨年10月8日~今年1月21日まで、全118回上演された舞台は久石の音楽と原作を尊重した世界観、RSCならではの作劇力が観客の心をつかみ、13万3000枚にもおよぶチケットはソールドアウト。連日スタンディングオベーションが巻き起こり、英「ガーディアン」紙をはじめ多くの劇評で五つ星を獲得するなどの高評価が伝えられていた。
「WhatsOnStage Awards」はミュージカルの本場、ロンドンのウエスト・エンド・シアターに重点を置いた英国演劇のパフォーマーと作品を表彰するもの。舞台『となりのトトロ』は最多の9部門にノミネートされ、最優秀演出賞、舞台美術、照明デザイン、音楽監督、音響デザインの各賞を受賞した。
最優秀演出賞を受賞した俳優で演出家のフェリム・マクダーモットは、授賞の喜びを「原作の精神に導かれるように、皆で一丸となって作り上げたショーです。パンデミックで街に人がいない中、バービカン劇場でさまざまなトライを続けました。キャストは卓越したアンサンブルでこのショーを育み、お客様の気持ちが加わって完成しました。私はこの賞を、個人としてではなく、チームとして受け取りたいと思います」と語った。
4月には英演劇界で最も権威のある「ローレンス・オリヴィエ賞」が控えており、さらなる受賞が期待される。