ボクサー役・朝比奈彩の腹を「本気で殴った」市原隼人「手を抜くのは失礼」
公開中の映画『レッドシューズ』の舞台挨拶が25日、都内にて行われ、主演・朝比奈彩、共演の市原隼人と主題歌を手がけた岡本真夜、雑賀俊朗監督が登壇。ボクサー役に全身全霊で挑んだ朝比奈を市原がたたえた。
全編北九州オールロケで、壮大な自然を背景にシングルマザーのボクサーと最愛の娘の絆が描かれる感動作。
未経験から本格的なボクシングのトレーニングを受け、ボクサーである主人公・真名美を演じきった朝比奈。ボクシングの練習に加え、母親役の難しさも振り返りつつ「実はこの芸能の仕事を始める前に、助産師の助手という仕事を経験したことがありまして。そのときのお母さんとお子さんの姿を(役作りに)組込めたと思う」と意外な経歴を明かした。
真名美を見守るトレーナーを演じた市原も「突然(トレーナーの)現役時代の写真を撮りたいと言われて、1週間で6キロくらい落としました」と苦笑しつつ「僕のことなんてどうでもいいんです。この作品は朝比奈彩の存在に尽きる。3日間連続でリングの上にぶっ倒れて、涙を流し、過呼吸にもなって。それでもリングに立ち続けてくれた朝比奈に敬意を表したい」と熱くリスペクトを語り、朝比奈も市原のサポートに感謝。
劇中では、市原が朝比奈の腹に衝撃音が響くようなパンチを見舞う迫真の場面も。朝比奈は「ボクシングの練習では事前に打たれる練習も行っていくんです。一番最初は、お腹に当たるか当たらないかというところから、最終的にあそこまでできた。全く痛くないわけではないけど、本当に痛くないところまで準備できました」と本格的なトレーニングを重ねてきたことを振り返った。
一方の市原も「けっこう本気で殴りましたよ」と笑いを交えつつ「こういうのも信頼なんです。彩が一生懸命、練習してきたのを知っているので」と、手を抜くのは逆に失礼だとして「思いっきり殴りました」と断言し、観客も2人の本気に感嘆。
この日は親友役の佐々木希から朝比奈への手紙も届いた。「特に涙したのは彩ちゃんの頑張る姿」と奮闘をたたえる言葉に、朝比奈も佐々木とのシーンを振り返り「同じ気持ちだったんだな、と」と笑顔。
最後に朝比奈は「一緒に頑張ってきた市原さんを目の前にすると、感情があふれてくるんですけど…」と目をうるませ「もう一度立ち上がる強さや家族愛を描いた作品です」と初主演作への思いを語っていた。