そびえ立つ愛の塔、映画『エッフェル塔~創造者の愛~』の美しすぎる嘘と真!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

こんにちは、黒田勇樹です。

 5日に三栄町LIVE×黒田勇樹プロデュースvol.13「シン・デレラ」が無事終了しました。

 今回は妻主演、子連れ稽古といった黒田家総出で新しい取り組みを行いまして、結構大変だったんですけど、なんとかやり切ることができました。関わってくれた皆さんに感謝です。

 12日までアーカイブを配信してますので、よろしければぜひ。

 では今週も始めましょう。

『エッフェル塔~創造者の愛~』全国公開中 © 2021 VVZ Production – Pathé Films – Constantin Film Produktion – M6 Films

 映画『エッフェル塔~創造者の愛~』を、観ました。最初に出てくるとあるテロップ、シビれました。創作をする人間として“こういう宣言”をしてから、観客に作品を提供できることを、とてもうらやましく思いました。
 なんて書いてあるかは、ナイショ。これから観る人はワクワクして、もう観た人はニヤニヤしておいて下さい。

 ストーリーはパリのランドマークである、当時、世界最高の建築物であったエッフェル塔を作った男、ギュスターヴ・エッフェルの人生の物語。
 筆者はこういった実在の人物を基に作られる映画を2種類に分類できると思っていて「偉人モノ」と「実話モノ」。
 創作物なので、多かれ少なかれ、わかりやすさやエンターテイメント性をかんがみ、虚実織り交ぜて描かれることは同じなのですが、偉人モノは、日本でいうと坂本龍馬や織田信長みたいに「もう、創作がほとばしっちゃって、史実そっちのけ」みたいになりがちなジャンルで、実話モノは、新聞に載っていた数行の記事を基に取材を重ねて作られた「ストレイトストーリー」や、実在の医師を描いた「パッチ・アダムス」の様に「史実に忠実でありつつ、出来るだけドラマティックに魅せる」作風というイメージ。

 この作品、テーマである「エッフェル塔を作った人」というところが、この“偉人モノ”と“実話モノ”のいいとこどりを成し遂げています。
エッフェル塔は誰もが知っているけど、作った人の名前が「エッフェル」だったことを知っている人はどれくらいいるでしょうか?エッフェルさん、自由の女神の骨組みとかも作ってるんだぜ!? 凄い大事なシーンで出てくる単語なのですが「リベット」って何だか知ってる!?

 知っていることの“知らない部分”と“謎のままである部分”、この2つを見事に調理してあり、下町ロケットのような楽しさと、タイタニックみたいに壮大な恋愛ドラマを同時に味わう事が出来ました。画もきれいで上映時間も心地よく、(えっちなシーンあるから家族で行く以外は)誰がいつ見ても楽しめる良作だと思うので、皆様是非、ご覧下さい。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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