安藤サクラ、最優秀助演女優賞受賞に涙「現場と子育ては上手く両立できないけれど」

写真提供: 東京写真記者協会

 第46回日本アカデミー賞授賞式が10日、都内にて行われ『ある男』で最優秀助演女優賞に輝いた安藤サクラが、涙ながらに同作で感じていた葛藤を振り返りつつ受賞の喜びを語った。

 優秀助演女優賞のトークでは「未だにすごい難しい役だったと感じる」と振り返っていた安藤。会場にいる共演の窪田正孝から「1日だけ撮休の日に突然、特急に乗って帰っちゃったことがあった」、同じく妻夫木聡から「撮影中に、私やっぱり女優に向いてないと思うの、この作品で引退しようと思うと言われて、これは重要な現場になってしまったな、サクラちゃんの引退作品に恥じない作品にしないとと思った。でもその後(夫の柄本)佑くんに会った時に“今サクラちゃん何してるの”と聞いたら“映画の撮影してますよ”って(笑)」と明かされると、安藤は「くよくよのピークに達してて…。子育てと映画を上手く両立できないと感じていて…」と苦笑しつつ述懐。「でも途中から、くよくよよりも現場が好きと気づいた」という安藤に妻夫木が「気づいたら言ってよ!佑くんに聞かなかったらずっと引退するもんだと思ってたよ」とツッコみ会場の笑いをさそう一幕もあった。

 その後、最優秀助演女優賞を受賞した安藤は「ああ、泣いちゃう。辞めようと思っていたことがこんな形で…。(先ほどのトークで)自分が情けなくて、かっこ悪いなと思いながら檀上にいたので」と笑い泣き。「この作品の最中に、やっぱり現場がすごく好きなんだとはっきり思えた。そんなものは他に見つけられないなと思えたので今も現場に向かうことができています。ただ私にとってやっぱり現場と子育てはうまく両立できないので、その都度、悩みながら家族で協力しながら、また大好きな現場に戻れたら」と女優へのさらなる意欲を語っていた。

 同じく『ある男』で最優秀助演男優賞を受賞した窪田正孝は「(石川慶監督から)役の底の底、本人の深みの部分を撮りたいと言われて裸でいるより恥ずかしい部分をむき出しにしてぶつかって。それを(妻役の)サクラさんが受け止めてくれた」と、安藤との共演を振り返っていた。

『ある男』は最優秀作品賞をはじめ最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞など最多8冠に輝いた。

1 2>>>