詩人・大崎清夏、初小説含む『目をあけてごらん、離陸するから』重版!伊藤比呂美とイベント

満員御礼の読者を前に「今日は緊張してるんですよ!」という大崎

 伊藤が「今日は詩と小説とエッセイの違いについてお聞きしたいんです。今、読んだものはどういう意識で書いたの?」と切り出すと、大崎は「自分の中では散文詩という位置付けです。この中に入っている作品でいうと『フラニー、準備を整えて』『雷鳥と六月』『呼ばれた名前』が小説で、『歌う星にて、フィールドワーク』の章はエッセイ」と解説。

 伊藤に「何を変えて書いているんですか」と突っ込まれた大崎は「詩は声に出した時に自分が気持ちいいリズムで展開することが一番重要で、そのためには話がまとまっていなくてもいい。小説は登場人物が何らかの時代や空間を生きていて、その人が生きている世界がちゃんと見えてこないとだめという制約がある気がします」。

 さらに「エッセイは学生時代に武田百合子さんの『富士日記』にハマっていて、『富士日記』の文体で自分のブログを書いていたんです。真似しきれない中で自分の文体ができていけばいいなと思っていて、その延長線上にあるのがエッセイ」と違いについて話すと、伊藤は「最初は全部小説だと思って読んでいて、それにしては『歌う星にて、フィールドワーク』以降は誰が話しているのかが明確に見えてこない。 “これは大崎さんかそれに近い人物が語っているんだろうな” と思って、その違いがエッセイと小説の違いなのかと考えていた」と分析した。

イベントでは散文詩「ヘミングウェイたち」の朗読を披露
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