詩人・大崎清夏、初小説含む『目をあけてごらん、離陸するから』重版!伊藤比呂美とイベント
自らもさまざまな分野で活動する伊藤は大崎の「詩と小説とエッセイの違い」に切り込む
あとがきに〈ほんとうはすべての作品を(中略)「詩です」と言ってしまいたい〉とあることに触れ「こんな気持ちでものを書いているのは詩人しかいない。我々は何でここまで詩というものにこだわるのか」という伊藤に、大崎は「小説家の方って100年先、200年先に作品を残したい人が多いと思うんですけど、私は100年先、200年先に残らなくていいから100カ国語に翻訳されたい。別の言語に翻訳されることで、言葉がもう一度生き直すことができるというか、自分の分身が増えるような感じがする。そういう欲望があるのかもしれないことに最近気がつきました」と独特の表現で詩への思いを語った。
このイベントの前に伊藤の小説作品を読み返したといい「自分の中に伊藤さんの声でしか入ってこないので、何でそんなことができるんだろうとリスペクトしていたんです。でも『目をあけてごらん、離陸するから』をいろんな人が読んでくれて、感想を聞いたら “大崎さんが目の前でしゃべっているみたいだ” と言われ、私の文章もそうなっているんだということにびっくりした」と大崎。