デロイトトーマツ、「コミュニティ」活用でスポーツの価値を高める新体制を発表
続く体制発表では、各パートナーであるアスリート、監督、スポーツ関係者らが紹介された。本日時点では「ソーシャルインパクト」、「テクノロジー」、「ビジネス」の3つのパートに分け、まずソーシャルインパクトからFC今治が紹介された。
FC今治とDTCは2015年からトップパートナーとして、事業計画や観戦体験向上プロジェクト、学校現場での環境教育冊子の配布など、サッカーだけでなくさまざまな取り組みを行ってきた。FC今治は今年、今治里山スタジアムをオープンさせ、365日賑わいの場を創出することを目指す。そのために様々なコミュニティを立ち上げていく予定で、運営においてDTCと連携していくという。岡田武史代表は「会社の理念である“物の豊かさよりも心の豊かさを大切にする社会づくりに貢献する”のためには、コミュニティは重要なもの」と意義を語った。
テクニカルパートで紹介されたのは、「Chip Ganassi Racing」の佐藤琢磨氏、「Astemo REAL RACING」の金石勝智氏、塚越広大氏、松下信治氏、日本初のプロBMXレーシングチーム 「GANTRIGGER」の阪本章史氏、吉村樹希敢氏、島田遼氏、西村寧々花氏。DTCは各チームと2022年からパートナーシップを結び、データ分析サポートや脳研究活動、次世代アスリート育成、観戦体験などを行ってきた。普段からファンとの関わりを大切にしてきたという佐藤琢磨氏は、ファン同士が交流することで被災地支援や次世代育成が進められているといい、「今回の取り組みでコミュニティを活用したコラボレーションができるのを楽しみにしている」と期待を寄せた。
ビジネスパートでは、日本プロサッカーリーグ 執行役員 事業マーケティング担当の笹田賢吾氏、Blue United Corporation President & CEOの中村武彦氏、現役プロラクロスプレイヤーであり、国際スポーツイベントやメディア運営などを展開する株式会社Little Sunflower 代表取締役社長の山田幸代氏が紹介された。中村氏からは「これまで日本になかったラボラトリーの設立によって、日本ならではのスポーツの価値を顕在化させることができれば」と、目標が語られた。
また、DTC内部からはスポーツビジネスコミュニティの活動をサポートする現役・元アスリートとして、2016年リオデジャネイロ五輪出場、2018年全日本フェンシング選手権優勝、2021年東京五輪出場の徳南堅太氏、元ヤクルトスワローズの投手として活躍した久古健太郎氏が紹介された。その他にも現時点で9名の現役・元アスリートが在籍しているとのこと。
今後の展開についてDTC サービス統括の信國泰氏は「これまでスポーツにおけるデジタルの活用、アスリートのキャリアアップ、地方創生など、さまざまなことに取り組んできた。今後はこれらを深めながら、競技の枠を超えてさまざまな横のつながりを活用し、新しい分野にも取り組んでいきたい。コミュニティとしては“一緒に検討しませんか”と言っていただけるような状態を目指していきたい」と説明。
同社では教育や医療、農業や水産業としいったスポーツ以外のテーマ領域でのコミュニティ形成も同時に進め、多様な主体との連携でスポーツ産業のみならず社会全体に新たな価値を生み出す可能性を示唆した。