豊島区制90周年ファイナル企画「ダイバーシティ」をテーマに猪狩ともか、鈴木おさむらがトークショーを開催

実体験をもとに語る猪狩さん

 また猪狩さんは「番組などに理由なく出たい。今までは障害をテーマにした番組には呼んでいただけるが、そうじゃない、フラットなところで理由なく車いすに乗っている人が出るということはやれてないので、そういうふうになっていけばいいなと思う」とも語った。

 鈴木さんはかつて「ダウン症の子供を授かるドラマ」を作ろうと思ったが頓挫した話を紹介。「そういう作品を作ろうとすると、正義感が強いと思われる。もっとカジュアルなものとして作りたいのに。社会的な意義のあるもの、と思われると動きが遅くなる。社会的な意義とかではなく、そういう人がたくさん出ている楽しいものがあってもいいんじゃないかと思う。」と話した。また「面白いものを作るより、炎上することが面倒くさいとか、それで怒られるのが嫌だとか、そういうことが前に出てしまうから、大きなメディアでそういうことを取り上げることが少なくなる。そうなると認知が少なくなる。だから俺はもったいないと思う」などとテレビ界の現状を憂う場面もあった。

 最後に伝えておきたいこととして鈴木さんは「聞く勇気を持ってほしい。街で車いすの人がいて、止まっていたら“大丈夫ですか?”と聞いて“大丈夫です”と言われると傷つくが、それが傷つかない当たり前の挨拶。“ハロー”みたいな感じであるべきだと思う。」、猪狩さんは「障害を持っている人が世の中にはたくさんいると思うが、そういう人たちのことを腫れもの扱いしないでほしい。声をかけてはダメなのかなとか思っているかもしれないが、そうではなく気軽に。こういうのはただの特徴。特徴の一つ。別人種なわけではないので、気軽に声をかけられる社会になればいいなと思っています」などとそれぞれ来場した人たちにメッセージを送った。