〈北区区長選〉山田加奈子氏「北区には新しいリーダーシップが必要」統一地方選

撮影・蔦野裕

 街角で熱弁を奮う立候補を決めた人たちの姿が見かけられるようになった。統一地方選が近づいて、街のあちこちに立候補者のポスターの掲示板が立ち、いよいよ16日には告示、23日には投開票となる。都内では各区で区議会議員、区によっては区長選が同時に行われる。そのなかで注目を集めているのが北区だ。有力とされる6期目を目指す現職の花川与惣太氏に対し、自民党都議の山田加奈子氏、区議選にトップ当選した駒崎美紀氏、橋本弥寿子氏が立候補を表明している。いま北区に必要なこととは? 山田氏にインタビューした。(聞き手・一木広治 構成・酒井紫野)

 

 ーー北区区長選に立候補を決めた理由を教えてください。 

 都議会議員にしていただき、都に行かせていただいたことがきっかけです。都議会での3年間は新型コロナウイルス対策とまるかぶりになりましたが、この期間に都を見たことで大きな衝撃を受けました。大きな予算規模は言うまでもないですが、行政運営のスピード感!都は日本の中の<東京都>ではなく、世界を見ていて、他とは視点が全然違います。

 例えば、東京都は行政手続きのデジタル化を進めていて、令和5年度末でその7割が完了します。ここまででかかった期間は3年半。役所の仕事は、5カ年計画、10カ年計画、その計画を立てるのにさらに1年かかりますから、都の感覚やスピード感、やると決めたら推し進めていく突破力のようなものを体感しました。区長選に出馬するとかしないとかという話とは別に、いま北区に何が足りないのか、何が必要なのかを考えると、都のような大きな視野と視点、スピード感だと思います。

 はっきり言いいますと、立候補するかどうかは迷いました。たくさんの支援をいただいて都議会議員にしていただいたので、それを途中でやめるということにすごく悩みました。それに自民党としては都議会の大切な一議席を取り戻したというところもありますから。ただ、北区の今後を考えると、新しいリーダーシップが必要ではないかと思いました。

 コロナを経て、さまざまな制度が変わっていく中で、変化をチャンスと捉えて改革を起こしていかないと区民の生活の水準を保っていけません。北区が取り残されることを危惧します。区民の生活を守るためにも、時代に先んじて、一歩先を行く政策提案をしていかなければいけない。私は都政と区政の両方を経験させていただいていますので、その経験を必ず北区に反映することができると確信しています。

 

ーー他の区町村を見回して見ると、北区には「時代に先んじる」「一歩先を行く政策」といったイメージは強くありません。どうしたらそれを実現できるのでしょう?

 まずは行政内、区役所の意識改革だと思います。新しいものにチャレンジしようという体制に変わってきたことが区庁舎の外に伝わっていけば、街も変わっていきます。そうなってから、区民や町会自治会の方、産業界の方々に、北区はこういうことを目指します、実現しますから、ぜひ協力と理解をお願いしたいと言えると思います。

 都庁マンの優秀さはよく語られますが、区役所の職員も同じように優秀です。ただ、能力が最大限発揮されている状況かといえば、そうではないのかな、と。職員それぞれが、仕事が楽しいとか、区民の方々に喜んでもらって充実感を得るであるとか、そういったことが増えていけば、新しいことへのチャレンジを良しとする区役所になっていくと思います。私はその仕組みを作ることで改革を起こしたいなと思っています。

 もちろん行政改革や財政改革も必要ですし、両方やらないといけないと思いますが、まず行政内を改革をして、区民の方に認めていただける、頼っていただける役所を作ることで、北区が変わっていくと思います。

ーー「7つの政策 みんなで創る。北区新時代!」としてマニフェストを掲げられています。今の部分は区民が分かりやすい、使いやすい、優しい区役所を目指す「区民サービスNo.1」を始め、いろいろな部分をカバーすると思います。次に「子どもの幸せNo.1」について聞かせてください。これは教育と子育て支援の考え方ですよね。

  私は、子育て支援と教育はもっと一体化して考えたほうがいいと思っています。現在は部署が違って、縦割りになっているんですが、考え方としては教育までをひとつの考え方として持つべき。そこまでの総合的な計画を立てて、継続的に支援を作って、いかに見届けていくかが大切だと考えています。

 こども家庭庁が設置されましたし、これからこどもの関連予算が増えていきます。子育ての現場は市区町村ですから、どういった支援が有効で、求められているかということを、国や都に上げていく役割が市区町村にはあると思います。国や都がすることの勉強もしながら、こういう角度での支援が必要と求めたり、政策を提案していく。それができるのが今だと考えています。

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