日比谷野音が100周年!KREVA、武部聡志、亀田誠治ら雨の野音で『ハナミズキ』コラボ
野音の愛称で親しまれる日比谷公園の野外音楽堂が100周年を迎えるにあたって行われる「日比谷野音100周年記念事業」のオープニングセレモニーが15日、同所で開催された。冷たい雨が降り続けるあいにくの天候となったが、「伝説は雨の日に生まれる」と言わんばかりに、吹奏楽の演奏、KREVA、武部聡志、そして同事業の実行委員長の亀田誠治らが「ハナミズキ」の合唱でコラボし、音楽の聖地・野音の100周年アニバーサリーのスタートを宣言した。
セレモニーは、レインウェアやレインコートで体を覆った観客が見守る中、スタート。警察庁音楽隊の演奏で幕開けすると、東京消防庁音楽隊、東海大学菅生高等学校吹奏楽部が演奏し盛り上げた。
一番の盛り上がりを見せたのは、大妻中野中学校・高等学校合唱部が登場した時。ピアノが時を越えて愛される唱歌『早春賦』のイントロを奏でメンバーが歌いだすと、客席からも「春は名のみの風の寒さや」と静かに歌声が響いた。
歌い終えたところで、亀田の呼び込みで武部が登場。『ハナミズキ』の歌詞の一節である「君と君の好きな人が100年続きますように」について、「みんながそういう思いを持てば争いごとはなくなるんじゃないかという、反戦にも近いメッセージが込められています。その曲を若い世代の人たちが歌い継いでいってくれること、日比谷野音がこれから先100年、素晴らしい音楽を奏でていけることを願って弾きたいと思う」と挨拶すると、印象的な『ハナミズキ』のイントロが野音に響き、そして合唱部の歌声が続いた。
途中、KRAVAがマイクを手に合流。緑の豊かな日比谷公園を想起させつつ、世代や年代を超えて歌い継いでいくことの素晴らしさを伝えるラップで、KREVAによれば日比谷公園で「今日だけのために書いてきたラップ」。パフォーマンス前の挨拶では「ここで披露するしかないラップ。短いですが楽しんでいただけたら」と、話していた。
亀田はあいさつで、野音について「空があって、自然があって、今日みたいな雨もそうですし、夏は虫の声も聞こえます。大事なラブソングの演奏中にパトカーのサイレンが鳴ったりすることもあります。その全部を受け入れてくれる野外音楽堂がこれから100年続いてくれるのは本当に素敵なこと」だとし、「これまで100年間本当にありがとう。これからの100年間もこの凛とした姿で、僕たちの音楽の聖地として存在していてください。ここは音楽を、愛と自由の時代を作っていくとても尊い場所です」とメッセージを送った。
野音は老朽化のために建て替えられる計画だ。
イベントには、小池百合子都知事も登壇。「寒くない? 大丈夫?」とオーディエンスを気遣いながら、「(野音は)これからの100年に相応しい音楽の殿堂へとリニューアルを予定しています。都民の皆さん、アーティストの皆さん、両方から愛される文化の発信拠点として、みんなの知恵も取り入れて改修をし、新たな歴史を紡いで行きたい」と、話した。
「日比谷野音100周年記念事業」は、オープニングセレモニーを皮切りに、11月までさまざまなプログラムが行われる。