女性24歳「その人は一体どうしてほしかったのか…」【黒田勇樹のHP人生相談 132人目】

黒田勇樹「することは、たったひとつ。心を殺して、粛々とマニュアル通りの対応を」

 ご相談ありがとうございます!元コールセンター主任(バイト)の僕には、大好物の案件です!

 まず、世界中に言いたい。「電話対応は相手に任せろ」
 結局のところ、お客さんからの電話って似たような内容が多いので、受ける側は「アナタにとっては一生に一回の問い合わせでも、こちらは日常茶飯事」な、ことが多いです。

 適当に、要件だけ伝えてオペレーターの言うことに「はい」「いいえ」するのが一番、物事がスムーズに運ぶんですけどね。

 多分、相談者さんが受けた電話は「お客さんが主導権を握ろうとしてしまう」最悪のケースです。“その人は一体どうしてほしかったのか”は、もうなんかダメな恋愛みたいな感じで「自分の答えて欲しい様に答えて欲しかった」んでしょう。

 先に、どういうやり取りをするかをお客さんが想定してしまっていて、その通りにいかないとスグ否定してくるパターンだったんじゃないでしょうか?

 対応する側がすることは、たったひとつ。

 心を殺すことです。耳は脳に近いので、電話対応って、表情も見えないし、ストレスがダイレクトアタックしてくるので、精神的負担が実は非常に大きいのですが、結構職場側からも軽く見られがちの業務なんですね。

 金融系のコールセンターで働いていた時に「戦闘機が家の上を飛んでいる」「インフルエンザは某国の化学兵器」と熱弁する方からの電話を取った時は、ただただ心の中で「ちゃりーん、ちゃりーん」と、唱え続けていたことがあります、時給が発生してるから。

「あ、この人ダメだ」と思った瞬間に「じゃがいもがポテポテ言っとるなぁ~」みたいに、心のチャンネルを切り替えて、粛々とマニュアル通りの対応をして下さい。

 電話かける側は「時間のある時に、かけろ」ですかねぇ。「上司出せ」って言って、上司が出てきて“もう1回同じ話をイチからする”ぐらいの覚悟や時間がない時は、電話しないことをオススメします。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23
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