豊島区の高際みゆき新区長が就任記者会見 ヨドバシ出店問題は「聞いてみないと分からない」
23日投開票の東京都豊島区長選で当選し、同区で初の女性区長となった高際みゆき新区長が25日、豊島区役所本庁舎で就任記者会見に挑んだ。前副区長を務めた高際新区長は、今年2月に死去した高野之夫前区長から後継指名を受け、告示直前に副区長を辞職して立候補。高野区政の継承と発展を掲げ、4万3168票でトップ当選を果たした。
会見場に登場した高際新区長は緊張した面持ちで「29万人の区民の皆様の暮らしと命を守る責任の重大さに、改めて身が引き締まる思い」と挨拶。選挙戦を終えた感想を「右も左も分からずドキドキしながら、多くの方に応援いただいて昨日初登庁を迎えられた。活動を通じて多くの区民の皆様と握手する中で、お一人おひとりと目を見て向き合うことで、その方が何をおっしゃりたいのか、私に何を望んでいるのか伝わってくるような気がした」と述べた。
職員に向けても「私の好きな言葉は “思い込みを捨て、思いを拾う”。区民の目線に立ち、お一人おひとりと握手するような気持ちで相手に向き合い、相手の気持ちをしっかり受け止め、その方の思いを拾う、拾える。そうした職員、区政を作っていこうと伝えた」とメッセージを発信。
24年ぶりの新区長となった決意を「高野区政がこれまで長い時間をかけて進めてきた文化を基軸にしたまちづくり、女性や子供にやさしいまちづくり。町会や商店街、事業者、企業、NPOなど多くの方々とも密度の濃い信頼関係を築いた。そうしたものはしっかりと受け継いでいき、継承するだけでは後退と同様だと思いますので、やるべき改革は豊島区職員2000人総力を上げて立ち向かっていきたい」と表明した。
個別の公約については「出産費用は国の補助に加えて独自の上乗せで実質無償化を図りたい。また、国の少子化対策で給食費の無償化を検討するという方針が初めて示され、区としても給食費の無償化にできるだけ早く取り組めるよう検討を進めていく」「日本は認知症大国と言われており、認知症を取り巻く課題にはいろいろなケースがある。認知症ご本人、ご家族、不安を抱えている方が安心して豊島区で暮らし続けられる環境作りに力を入れていきたい」などと言及。
さらに、豊島区をより活性化させる施策として「豊島区は漫画・アニメ・コスプレで盛り上がり、ハレザ池袋周辺には国内外からたくさんの若い方たちが押し寄せている。“漫画・アニメ・コスプレの聖地としま” をひとつの財産としてもっと発信できるよう取り組みたい」を挙げ、アート・カルチャー都市構想やウォーカブルなまちづくり、SDGsといった課題にも前向きに取り組みたいとした。