佐竹雅昭と武蔵がキックボクシングでの人材育成とメジャー化に向け合体【KICK BOXING WORLD CUP】
佐竹氏がこの実行委員会に関わることになった経緯については「土居龍晴という男がしつこいくらいに私のところに来た。“佐竹さんのような考えが今の格闘技に必要なんです。拝金主義になっている格闘技団体ではダメなんです。瞬間瞬間人気はあるけれども結局落ちていく。そういう世界を作っても意味がないんです”と。僕は最初、胡散臭いなと思った。大概、格闘技の世界にいる人は胡散臭いんです。僕はそれが嫌で辞めたんですから。でも彼にはそういう胡散臭さは全くなかった。むしろどんくさい。そんな彼が何度も来る。私は“こんなくだらないキックなんてやめなさい”と言いました。だけど彼はしつこく着た。その中でここまでしつこく来るなら、ボランティアで一肌脱いでやろうと思った。彼が川阪会長代行のところに連れて行ってくれて、そこでも道徳観の話、一番大切な人の生き方の話で気が合った」などと説明。
そして「そういう中で物事を作っていかないといけない。K-1の時は一番大事なことを忘れていた。やっぱり人と人との心のつなぎ合い、信頼。その先にある優しさという強いパワーを持たないといけない。今回、キックの大会でも成功するかしないか、そこに依存心や期待は持っていない。でも一番最初に土台を作らなければいけない。これは新渡戸稲造先生が言っている武士道の義というものは何か。“我を美しく”と書くんですね“義”という文字は。だけど義というのは骨組みであると思っています。土台。人間というのは肉と皮だけでは動かない。骨組、土台を築き上げて、そこにしっかりとしたものをかぶせて、物事が動いていく。今回の大会はあくまで序章だと思っている。土台作りだと思っている。僕らがやっている武道的なスポーツはマイナー。K-1が人気があったころに比べるとかけ離れてきた。だからこそ我々はしっかりとした足元をもう一度築き上げて、野球やサッカーにはできない、もっと大切な優しさや武士道というものを通じてのメイドインジャパンというものを作っていきたい。一番大事な土台作りというものを今大会に期待したい」などと続けた。なお、土居氏は一般社団法人キックボクシング協会 理事長で、かつてアーネスト・ホーストのセコンドを務めた人物。今大会では実行副委員長を務める。