ちゃんよた、“胸毛ニキ”八須拳太郎らを擁する「PPPTOKYO」とは? 5・16後楽園ホール初進出を前に主宰の三富兜翔が語る

2021年9月のデビュー戦で敗れたちゃんよたは試合後のマイクで「遊びでプロレスやってない」と涙交じりのアピール(撮影・堀田真央人)

デビュー戦で周囲の見る目を一変させたちゃんよた

 学プロ精神とは?
「僕はプロレスに関しては2003年3月1日の三沢光晴vs小橋建太戦を見て、衝撃を受けたのが始まりでした。当時はK-1とかPRIDEの全盛期で僕も小1から空手をやっていたので格闘技も見ていました。でも三沢さんが花道からタイガースープレックスをやっているのを見て“なんだこれは?”と。その後、プロレスゲームをやりまくるようになり、テレビもずっと見るようになりました。

 そして大学生で学生プロレス。潮吹豪という名前で活動していたんですが、それが原体験として大きかった。学プロって自分たちのことを1ミリも知らない人の前で試合をするので、街中や学園祭で歩いている人がどうしたら足を止めるだろうということを考えながら試合をするようになった。そのマインドは今、PPPをやっている根底にめちゃくちゃある。見ず知らずの人が足を止める、見ず知らずの人がニュースを見て振り返るものを作りたいなという思いがあります」

 2019年に旗揚げ公演を含め2公演を開催。2020年3月には新型コロナ禍の中、第3弾公演を開催。コロナ禍ではどういった活動を?
「コロナ中も六本木にあるTFCという金網付きのクラブで毎週金土に試合をしていました。もちろんコロナ対策のルールを守ってですよ。最初、そこのオーナーさんと知り合った時に“毎日、格闘技を見ながら音を流せるクラブを作りたい”という相談を受けたんです。その人はプロレスを1回も見たことがなくて。格闘技は大好きだったんですが、今思うとBreakingDownの走りのようなアイデアだったと思うんです。“素人を殴り合わせたい。それを見ながらだったら盛り上がって酒も進むし、音楽も相まって――”みたいなことを言っていましたから。僕はそれを毎日やったら絶対に死人とかケガ人が出るし、格闘技も毎日できるものでもないと思ったので、そこで閃いて“プロレスはどうですか?”って提案しました。それで一度PPPを見にきてもらって“プロレスもありだね”みたいな話になって。結局、半年以上、そこでプロレスをやっていました」

 ホームページには2021年3月公演以降の公演が記載されている。
「旗揚げからその前の公演までが『第0期PPP』。0期の最後がこの金網でのプロレスですね。2021年の6月公演からポスターのデザインがガラッと変わり、ロゴも変わるんですが、ここから金網で知り合ったデザイナーと仕事をすることになったからで、ここから団体として活動することに決めました。PPPTOKYOの第一章。この2021年3月公演で八須がデビュー、そして9月公演でちゃんよたがデビューします」

 ちゃんよたはデビュー戦とは思えぬ動きを見せ、観客の度肝を抜いた。敗れはしたが試合後のマイクで「あたしは遊びでプロレスやってないです。本気でやってます! AV女優ということでいろいろな目で見られることがあるかもしれないですが、一からまた頑張るので応援よろしくお願いします」と涙ながらにアピール。この試合は彼女のデビューに疑心暗鬼だったプロレス業界関係者の評価を一変させるに十分なもので、その後、ちゃんよたは他のプロレス団体にも出場するようになり、デビュー1年にして、現在の女子プロレス界で最大規模を誇る「スターダム」への出場を果たしている。またPPPTOKYOの先輩である八須拳太郎とともに朝倉未来がプロデュースする「BreakingDown6」にも出場し、揃って勝利を収め、PPPTOKYOの名を一気に世間に知らしめた。