ちゃんよた、“胸毛ニキ”八須拳太郎らを擁する「PPPTOKYO」とは? 5・16後楽園ホール初進出を前に主宰の三富兜翔が語る

2021年9月の公演で三富は「2024年、あと3年以内に東京ドームシティホールに進出します」と宣言した(撮影・堀田真央人)

TDCホールでは絶対にやりたい

 八須選手は昔、別の団体でプロレスラーを目指すも、一度夜逃げしています。でも今はここで頑張って、柔術も習い、BreakingDownにも出るという精神的な強さも身に着けました。ちゃんよた選手は色物扱いされるのは分かったうえで飛び込む覚悟とか人間的な強さがあります。それに何よりも肉体的な強さもある。
「うちはみんな何くそ精神がある。反骨心というか、うがった見方をされたものに対して超えていこうみたいな気持ちはみんなに通じている」

 トランスジェンダーの女子レスラー「エチカ・ミヤビ」もそういった団体の気風を感じてPPPTOKYOにやってきたのでしょうか?
「それもあると思います。彼女が“今までトランスジェンダーという見られ方を気にしていたり、どうせ人生に可能性なんてあまりないと思っていたけど、プロレスをやることでリングの上はなんでもありなんだということに気づけた”ということを言っていたんですが、僕はそれが一番うれしかったですね。“プロレスってなんでもありなんですね”って。それは多分深い意味で、なんでもありというのは自分を全部表現できる、いろいろなことを隠さなくてもいい。それは彼女のマインドにも通じている。

 大谷譲二もある事情で2年くらいプロレス活動を休んでいたんですが、復帰させたのは僕。彼とは学プロ時代からの付き合いなんです。僕は1回失敗したからって世の中で立ち直れないみたいな風潮はめっちゃ嫌で。そういう人にもチャンスを与えられる環境にしたいという思いはどこかしらにあって“プロレスをやりたいならうちで復帰すれば?”と言って僕との試合で復帰したんです。そういう世の中のうがった見方や偏見とかを超えていくという精神は全員に通じていると思います」

 2021年9月の公演で「2024年までに東京ドームシティホールに進出する」と宣言。そして昨年11月公演では今回の後楽園ホール公演を発表した。今回の後楽園公演はその過程? それともTDCホールから後楽園ホールに目標が変わった?
「後楽園ホールは過程です。TDCホールでは絶対にやりたいと思っています」

 そのこだわりは?
「僕はプロレスという枠を超えたコンテンツを作りたいと思っているんです。プロレスという枠で考えた時に、連想するものは後楽園とか両国になってくる。それはプロレスの歴史との戦いでもある。でも、新しいエンタメコンテンツとして一番映える場所ってどこかと考えた時に、音とか照明とか、ライブをやるにはTDCは合っていると思っていて、プロレスの概念を覆したいという思いもありますよね。“後楽園ホールで大会をやるなんてすごいね”と言われるのはプロレスファンだった自分からしたらうれしい反面、“まだそこじゃないんだよな”というまだまだ感はあります。

 僕の夢は、以前、マッスルミュージカルっていうアスリートとかいろいろなジャンルの人が一堂に会したミュージカルみたいなものがあったんですが、あれはミュージカルでもないし、スポーツでもない新しいコンテンツだったと思うんです。それに近いところだとハッスル。あれは20年早かったと思う。そういう新しいコンテンツを作りたいという思いはあります。でもプロレスからはみ出たものにはなりたくない。プロレスという技術体系をもってして新しいものを作りたいと思っています」

 その技術についてはリング内だけでなく、リング外でのことも含めて? プロレスの可能性は無限にあると?
「はい。無限にあると思うんです。それはファンだったからこそ思うし、自分がやったからこそ思うし、ビジネスとして関わってきたからこそ、全ての面からプロレスというものに可能性を感じているんです。プロレス業界ってプロレスをもってして、業界を苦しめているような気がします。歴史とか風習とか、そういうものを持ってして、可能性を潰しているような気がします」

 プロレスとはかくあるべきという考えが強すぎる?
「そうなんです。プロレス業界はいまだにレスラーではないスタッフと共有できないことが多すぎるんです。でもWWEってなぜあれだけのビッグコンテンツになっているかというと、制作陣、スタッフ、レスラーも含めてみんなで一つのショーを作り上げるために密にコミュニケーションを取っているんじゃないかと思うんです。だからビッグビジネスになっている。でも日本は選手だけの聖域みたいな考えがいまだにあるから“そこどうなってるの?ということをスタッフ陣や経営陣が突っ込めない。それって絶対に可能性を潰している。だから僕は言い方として“プロレスをもってして新しいコンテンツを作り上げる”。これだったらみんなを巻き込めると思っているんです。“うちはコンテンツなんで”って言えるから。だから、うちはスタッフと一緒にミーティングをしています」