ちゃんよた、“胸毛ニキ”八須拳太郎らを擁する「PPPTOKYO」とは？ 5・16後楽園ホール初進出を前に主宰の三富兜翔が語る

最初は偏見から始まったが今は無視できない存在になっていると思う

　今公演ではちゃんよたは夏すみれ、真琴と組んでラム会長、雪妃真矢、尾崎妹加組と対戦する。
「ちゃんよたはデビュー戦の時はなかなかカードが決まらなかった。今は女子プロレスラーにとっても美味しい存在になっていると思います」

　あれだけ鍛え上げた肉体と短期間でのプロレスラーとしての成長度合いで見方を変えさせた？
「実力で示しましたよね。僕らPPPの存在も実力で示してきたと思っています。最初は偏見から始まった。でも毎回お客さんが入っているし、話題を作っているので認めざるを得ない存在になっている。だから高木さんも出てくれるというか。多分、今、無視できない存在になっていると思います」

　三富はデビュー10周年特別記念試合で石川修司、大家健と組んで高木三四郎、カズ・ハヤシ、大和ヒロシ組と対戦する。DDTの大社長・高木が他団体に出場するのは最近ではレアケース。それ以外でも徐々に参戦選手が増えてきている。

「多分、皆さん、メリットを感じてくださっているからでしょう。スターダムさんもちゃんよたを使うメリットを感じている。今回、スターダムさんの選手は出ていませんが、相手のレベルandエネミーはスターダムでも活躍しているチーム。ここにメリットとおいしさがあるから出場してくれるんだと思います」

　その中で八須選手のケガは誤算？
「誤算というか、僕はいつかケガをするとは思っていました。4カ月で4試合ってやりすぎじゃないですか。危うさは感じていて、彼にも“ケガだけは気をつけろ”とは話していたんですが、彼は良くも悪くも馬鹿すぎて、骨折しても精神力で試合はできるもんだと思っていたらしいんですよ。そんなわけはない。彼は一度もケガをしたことがないから、ケガの怖さというものを知らなかった。めちゃくちゃ頑丈なんですが、いざ折れてみたらできないということが分かった。その小学生でも分かる学びを大人になってからするというのも八須らしい。彼は長くプロレスをやると思うんで、そういう意味でいい気づきになればいいし、プロレスのいいところはこの失敗や挫折も物語にできること。団体初の後楽園ホール、八須自身も初めてホールで試合をするチャンスだったのに、まさか穴を開ける。多分、一番悔しいのは本人。でもその悔しさがあるから絶対に彼の今後のキャリアに生きると思うんです」

　来るべきTDCホール公演でメインを取るくらいの志を持ってほしいと？
「そうです。八須はどう化けるか分からないし、これを力に変えてほしい。そういう意味では、彼にとってはいい経験だったのかと思います。自分がいなくても公演が成り立つことに悔しくなってもらうのが彼にとっての一番のエネルギーなのかもしれないです」

　この八須選手のアクシデントは公演に団体一丸となって全力で向かっていながらも、次への種もまけているという奇跡的な状況になっている？
「そうなんです。プロレスのいいところですよね。僕がプロレスから学んだのは、起きたことは、すべて受け入れる。でもそれをどう次の物語にしていくか、でしかない。格闘技って結構残酷じゃないですか。でもプロレスラーだからこそ、負けを次につなげられる。そこを分かって、あいつに頑張ってほしいですね」

　今回は今まで取材してこなかったプロレス専門誌が会見から取材に来ていました。
「“専門紙が取材しないプロレス団体”だったんですが、取材されちゃいましたね。この前、個別取材をしていただいて、特集が1ページ載っているんですが、うれしい半面、ちょっと悲しかった。載っちゃったって（笑）。それはプロレスを超越したコンテンツを作りたいという思いがあるからで、逆にプロレス団体として認められちゃったというところが、なんか一つ葛藤はありますよね。枠に収まっちゃった。でも“収まりたくないんだよ”という思いはこれからも持ち続けようと思っています」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（取材／TOKYO HEADLINE　本吉英人）