安藤サクラ 2度目のカンヌを「しっかり味わう」現地拍手が大きいのは『万引き家族』より「今回?」
第76回カンヌ国際映画祭 「コンペティション部門」に正式出品した映画『怪物』の是枝裕和監督、脚本・坂元裕二、出演者の安藤サクラや永山瑛太らが日本時間18日、現地でのレッドカーペットや公式上映に出席。上映後、日本の報道陣の取材に応え感激を語った。
公式上映後、9分にもわたるスタンディングオベーションを受けた『怪物』チーム。安藤が「地響きのような拍手で圧倒されました」と言えば、是枝監督も「トップバッターだったんで責任重大だなと思いながら現場にいましたが、上映後の見てくれた方達の顔がとても輝いていたので良かったなって思いました」と手ごたえを語った。
『万引き家族』以来のカンヌ参加に、安藤は「私自身が二度目ということで、前回の初めての興奮じゃない状態でしっかりと味わおうという気持ちで、前回はあっという間に終わってしまったのですが、今回は「これがカンヌか」というのを噛み締めながら過ごしてます」と語り、最高賞パルム・ドールを獲得した『万引き家族』とどちらが拍手が大きかったかと聞かれると「今回? それは私の感じ方?」と現地での高評価をしっかりと感じている様子。
公式上映後、音楽を手がけた坂本龍一への追悼文が流れると、会場からも万雷の拍手。是枝監督は夜の湖のシーンで「ロケハンに行ったとき、ここに坂本龍一さんのピアノが入ると確信しました。ご体調のことはありましたが、一回自分の好きな坂本さんの曲を仮当てし、それをお手紙と共に送って見てもらいました。お返事が来て、映画全体を引き受ける体力はないのだけど、1、2曲閃いたから書いてみます、気に入ったら使ってくださいと返事のお手紙をもらいました」と明かし「(坂本が本作を)見た直後に、音楽室のシーンがすごく好きだと言ってもらい、あのホルンとトロンボーンの音を邪魔しない音楽を作ろうと思ったという意見をもらいました」と振り返っていた。
コンペティション部門の最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞はフランス時間の5月27日の授賞式で発表される。
『怪物』は6月2日から公開。