「広がるリスキリングの概念。家事や育児、介護の影響を受けがちな女性だからこそ…」〈女性とリスキリング・後編〉

【女性に人気のリスキリングやスクール探しのアドバイスは】

―受講生のうち、実際に収入アップする人はどれほどいますか？

「うちの場合は小さな仕事から始められる方が主なので、ゼロからの方や副業として始めた方で、月で5万円ほど収入が増えたという人が8割くらいです。人によって目指すところはさまざまですが、企業にお勤めだった方だと“会社員だったときの給料を超える”のが1つのステップとなっているようです」

―女性の受講生に人気が高いセミナーは？

「I’meとは別で運営している広報PRの専門スキルを学べる『PR塾』ですね。うちではお仕事のあっせんもしているのですが実は今、企業広報やインスタ代行などの仕事で、企業の側からフリーランスの方を紹介してほしいという声が増えているんです。中小企業だと、大手企業の広報コンサルをするような年収の高い人材を雇用することも難しいし、社員として広報チームが必要というより1人とか0.5人いればいい。広報やPR代行は外部に切り出しやすい業務でもあり、月10～30万で外注できるなら助かるという企業は多いんです。

　リスキリングではウェブデザインのセミナーも人気がありますが、こちらはプロジェクトとして単発の仕事が多く、またせっかく発注するならプロに頼みたいというクライアントも多い。逆に広報代行だと、社員ではなくともパートナーとして、その企業のことをリスペクトしてくれて二人三脚で長くやっていけるフリーランスの人が求められる。SNSでの情報発信が得意だったり人と関わることが好きという女性には特に向く仕事じゃないかと思いますね。正社員より単価は低いですが、そういう企業2～3社とつながれば継続的な収入が期待できます」

―最後に、リスキリングセミナーやスクールを探すコツを教えてください。

「まず、自分に合った方法で、自分がしたい学びができるか。たまに、主催者の成功パターンを伝授するセミナーやビジネス塾がありますが、例えば主催者がYouTubeでライブ配信をして売り上げが上がったとして、その人は話すのも上手で見た目も華やか、表に出るのも大好き。でも、そのやり方がすべてで絶対的だというような講義だと、そういう方法が得意でない人にはつらいですよね。そのスクールでは一人ひとりに合わせて学び方や学ぶ分野の相談を受けてくれるか、確認しておくと良いと思います。

　次に、きちんと積みあがっていくスキルを教えてくれるかどうか。例えばウェブデザインのスクールであればそのスキルが身につきます。一方で中には、とにかく知り合いに営業して3カ月で月商100万目指しましょう、と売り上げ目標を設定するセミナーもあり、自分の家族や知人に営業しなくてはならなくなって、なんとか目標を達成したけど4カ月目に友達が誰もいなくなりビジネスも続かない…というケースもあるので要注意です。そのスキルや知識を身につけて中長期的に自分の仕事に生かせるかを見定めることが大事だと思います」