“かわいい”だけで野生動物をペットとして飼うことのリスクを伝える「飼育員さんだけが知ってるコツメカワウソのウラのカオ」
左のパネルに毎日105枚のしおりが張られる
またコツメカワウソの個人での飼育については上野動物園の大橋直哉 教育普及課長が「あまりやらないほうがいい。実際に飼っている人がSNS等で発信しているのを見て“自分でも飼えそう”と思う人がいるが、それは24時間の中のごく一部の良いところしか発信していないから。病気、トイレの掃除、におい、鳴き声といった大変なところはカットされておいしいところだけ出ているのは問題だと思う」とSNSでのかわいい部分だけの発信に警鐘を鳴らす。また「病気になったらどうするのか。コツメカワウソを診られる獣医はゼロではないが少ない。あと、エサは魚と肉なんですが、魚を食べる動物はフンが臭い。24時間、部屋の中でそれは大変なのではないかと思う。本質的には野生動物なので噛みつくこともある。鳴き声もうるさいし、複数で飼うともっとすごい」などと個人飼育が困難な具体的な理由を挙げた。そして「動物福祉的にもコツメカワウソを自宅で飼うのはコツメカワウソにとってはストレス。動物に負担をかけてしまうということは飼う側が考えるべき」とも語っている。
この日はメディアに採食シーンが公開されたのだがアジと鶏頭を一心不乱にむさぼるコツメカワウソの姿があった。